本日は菜奈の部屋で勉強中。
菜「はい、今日はこれまでっ」
理「お、おう…」
理央の頭からは湯気が出ている。
若干ではあるが慣れてきた。
理「ふわーあ……」
大きな欠伸をする。
菜「もおー、欠伸なんかして…また夜更かししてたんでしょ」
理「ちげーよ、受験勉強してたんだよ」
菜「え…」
理「菜奈と同じ勉強量じゃ追いつかないからな」
菜「そ、そうなんだ…」
ちょっとだけ理央の評価が上がった。
理「ふわー…あー…」
また大きな欠伸。
菜「ね…ねえ……」
理「ん?」
菜「ひ…膝枕してあげよっか?」
理「い、いいのか?『彼女が出来たらやってもらいたいランキング』1位に輝くやつを…」
菜「いつの間にそんなランキングあるのよ」
それが男というものです。
今日の菜奈の服装、というか下半身の服装は淡いピンクのキュロットスカートに白のショートソックス。
………よし!
菜「…何がよし!よ」
理「お前人の心を読むなよ…」
菜奈はベッドの枕の辺りに正座をする。
菜「は、はい。いいよ」
理「そ、それじゃ失礼します」
しかし、菜奈の膝枕に頭をのっけた瞬間。
菜「ひゃっ!まっ、待って!」
頭をつかまれて持ち上げられた。
理「な、何だ!?」
菜「か、髪の毛くすぐったいからダメ」
理「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!『やっぱダメ』はねえだろ!?」
犬が『食べて良し』と言われて餌を食べようとした直後に『おあずけ!』と言われるのと同じくらいの拷問に等しい。
菜「だ…だって………あ……これなら…」
菜奈が何かを思いついた。
菜「ちょっ、ちょっと部屋から出て」
理「え?何でだ?」
菜「いいから、ほらっ」
そう言われて部屋から追い出された。
理「…何を思いついたんだ?」
髪の毛対策なのだから、それなりに厚めの生地の服を着るのだろうか。
となるとジーンズ辺りが妥当か。
……生足は堪能できないか。
ガックリと肩を落とす。
まあ、膝枕ができないよりは何倍もマシと思うか。
菜「理央、いいよ」
菜奈の声がした。
理「はいよ」
ドアを開けると、菜奈が立っていた。
下半身の服装は………黒い。
一瞬ジーンズかと思ったが、キュロットスカートがそのままだったので違う。
菜奈の足のラインが見えるのでかなり薄い生地だ。
………黒ストッキング…か?
菜「く、黒ストッキングなら我慢できると思ったんだけど……ダメ?」
…………………。
理「オーケー。むしろ俺的に有りだ」
黒ストッキングは正義の証。
菜「そ、そう。じゃあいいよ」
再びベッドの上で正座をする。
理「ほんじゃ、今度こそ…」
頭を横向きにして膝枕に乗せる。
理「ど、どうだ?」
菜「うん…これなら大丈夫」
菜奈の方は大丈夫のようだ。
それでは、こちらも膝枕を堪能するとしよう。
頭を本格的に膝枕の方に体重を乗せる。
理「お…おお…」
柔らかい。
それでいてきゅっとした弾力がある。
ほんのりと温かさも感じられる。
理「こ、これが膝枕か…!」
感動した。
こんな素晴らしい枕がこの宇宙に存在するとは。
菜「お、大袈裟よ」
理「……ね、寝ていいのか?」
これなら速攻で寝れる。
菜「うん、いいよ。御褒美だもん」
理「そんじゃ…………………」
菜「…………り、理央?」
理「……すー……ぐー…」
菜「も、もう寝ちゃったの?」
頭の優しく撫でる。
菜「……頑張ってるんだね…理央」
一緒の大学に行こうね。
1時間程経過した。
そろそろ起こしてもいいか。
ぽんぽんと肩を叩く。
菜「理央、そろそろ起きて。一時間経ったよ」
理「ん……もう一時間か…」
むくりと起き上がろうとした時。
でろり。
菜「!!」
すぱーん。
理「なっ、何でビンタすんだよ!」
菜「んもーっ!何でヨダレ垂らすのよっ!」
ものの見事に黒ストの部分にヨダレがついた。
理「わ、悪い。すげー気持ち良く寝てるとヨダレ出ちまうんだよ」
これで膝枕は永遠に終了だろうか。
菜「今度は、垂らさない寝方にしてよね」
理「………あ、ああ」
とりあえず膝枕禁止令は出なかったので安心した。