本能の露出

知「ところでさ、理央とはうまくいってるの?」
今日は知美と一緒におでかけ中。
一息つこうと喫茶店で休憩している時だった。
菜「うん、一緒に海行ったりとかしてるよ」
知「へえ、付き合ったりすると彼氏のやな部分が見えたりするみたいだけど、そういうのは?」
菜「んー……子供の頃からずっとだったから『そういうのって当たり前』って感じだからやな感じは無いかな」
知「ふーん……と、ところでさ、『あっち』の方ってどうなの?」
菜「…『あっち』って?」
『あっち』という意味を理解できず。
知「ほ、ほら、だから夜の方よ」
喫茶店故に直球的なワードは使えない。
『夜の方』はギリギリの言葉であろう。
意味を理解した途端、菜奈の顔が真っ赤になる。
菜「あっ、あっちって……い、言えないよお…」
知「…言えないぐらいってわけね」
『言えない』という言葉でだいたい理解した。
知「まあ菜奈も理央に飽きられないようにスキルを磨くのもアリじゃないの?」
菜「み、磨くって…どうするの?」
知「まあ、他の人のを見るってやつ?はいこれ」
知美が私物のバックから取り出してきたのは簡素なプラスチックのケースに入ったDVDだった。
知「部屋掃除してたら元カレのやつが持ってたのがあったのよ。どういう理由であたしの部屋にあったのか逆に聞きたいけど」
菜「あ、あはは…」
どうリアクションしていいのかわからず、乾いた笑いをした。
知「叩き割ろうと思ったけど菜奈に渡した方がまだ使い道としてアリか思ってね」
菜「えっ!?」
知「まあソッチの勉強として見るのもアリじゃないの?見たくなければ捨てちゃえばいいし」

そんなこんなで知美と別れ、自分の部屋に帰ってきた。
手にしているのは知美からもらったDVD。
見るべきか、捨てるべきか。
菜「………ま、まあちょっとだけ見て捨てればいいよね」
無料でもらったわけだから別に損をしたわけでも何でもない。
あまりにも過激だったら捨てればいいだけ。
別に参考にしなければならないわけでもないのだから。
DVDプレーヤーにセットし、読み込みを始める。

菜「何で無修正なのよー!?」
菜奈が目にしている映像は自分の想像していないものだった。
モザイクが無い。
こういうのってどういう方法で入手しているのだろう。
入手経路を考えている内に映像はどんどん進んでいく。
映っている女性の胸を男性が揉む行為をしている。
…理央としている時もこんな風な感じなのだろうか。
男性は手だけでは飽き足りないのか自分の舌で女性の胸の先端をチロチロと舐め始める。
菜「…やらしぃ……」
何て卑猥なのだろう。
胸の先端が徐々に尖っていくのがわかる。
確か理央とした時も……。
先日の行為を思い出す。
ふと、自分の躰に異変が起きているのがわかった。
自分の胸の先端がこれでもかと尖り始め、服の上からでもわかる。
菜「や…やだ……」
ちょっと見ただけなのに。
映像の中の男性はエスカレートし、音を立てて先端を吸い始める。
菜「……ん………はぁ…」
息が荒い。
躰が熱く感じる。
…理央だったらどんな風に触るのかな。
自分の手を理央の手と考えて胸に手を当て、揉んでいく。
菜「んぅっ」
違う。
理央はもっと、やらしく触る。
より強く揉んでいく。
菜「はぁ……りぉ……」
先端が寂しそうなので指できゅっとつまむ。
菜「私のここ……すごっ……」
服の上からでは足りない。
服の中に手を突っ込み、直接先端をいじくる。
菜「んんっ……気持ち……いいっ……」
映像はすでに次のステップに進んでいた。
全裸になった女性の股間を指や舌でこれでもかと愛撫している。
それに倣うようにスカートとパンツをすぐに脱ぎ、下半身が剥き出しにした。
割れ目はすでに濡れていた。
菜「あは……ぐっちょりしてる」
自分の状態がおかしく感じる。
割れ目に自分の指を入れていく。
菜「あ……あぁぁぁ…」
割れ目の中がどうなっているか指ではっきりとわかる。
自分の指をきゅうきゅうと締めつけ、求愛をしている。
ぐちゅっ、ぐちゃっ。
わざと大きな音を立てて激しく指を動かす。
菜「あああぁぁっ!ひぃぃぃっ!」
自分でするのって気持ちいいんだ。
映像ではまだ男性は女性の割れ目をいじっている。
菜「おっ、おいこひちゃった…!」
もう早い者勝ちでいいや。
菜「もっと、もっとぉ!」
指を一番奥まで突っ込む。
菜「いっ………ひぃぃぃぃぃっ!」
躰をのけ反らせたまま固まった。
絶頂を迎えた。
大きな快楽の波は過ぎた。
これで終わろう。
ふと、映像の方を見た。
本番が始まり、男性の動きに合わせて女性が喘ぎ声を出す。
…………凄い。
菜「あああぁっ!?」
手がまた割れ目の中をいじっていた。
したばっかりなのに。
終わったはずなのに。
菜「とまんないっ!とまんないよ!」
中をかき回すように指が動く。
菜「あっ…あああああーっ!!」
早々に二度目の絶頂を迎えた。

あれから40分。
自慰行為は映像が終了したと同時に終わった。
けれど、自分の中で情けないものが込み上げてくる。
ちょっと見ただけでしたくなり、止めようとせず、そのまま貪るようにし続けた。
最低だ、私。
菜「うっ……えっ……ぐぅっ……ひぐっ…」
涙がぼろぼろ零れてくる。
最低の、女だ。

後書き

ここから最終章となります。
いきなり妙な方向に進んでいますが、これは最初の頃から考えていた話です。
『最終章』とありますがまだまだ話は続く予定ですので。
それでは次回にて。
久々になりますが今回のコラムはこちらっ