はっと意識が戻る。
とある空間に立っていた。
周りは真っ白な風景。
空間は遥か先にまで続いていて、壁は一切無い。
視界を遮る障害物もない。
床も白いのだがわずかに黒ずんで床と空間の境界線はわかる。
理「……………夢か?」
その一言で理解した。
それならここへどうやって来たのかも説明できる。
………といっても1人だけじゃどうしようもないよな。
とっとと現実に戻ろうと思った時だった。
菜「理央」
後ろから菜奈の声がした。
さすが夢という名のご都合主義。
くるっと振り向いて声をかけた。
理「おう、菜奈もここにい……」
言葉が途中で止まった。
その理由は、菜奈のルックスが原因だ。
でかい。
どこがでかいというと、胸。
巨乳になっている。
理「何で!?」
ぽよんとした胸に釘付けになっていた。
夢だからか?
夢って願望がモロに出るというが、巨乳を希望した覚えは無い。
理「な、何ででかいんだ…?」
菜「もおーっ、前からそうでしょ?」
理「あれ?そうだっけ?」
菜「でも………大半は理央が揉んじゃったからでしょ?」
菜奈は顔を赤くして答える。
理「え!?俺そんなに揉んだか!?」
そんな揉んだ覚えないのに。
菜「………また……揉みたい?」
理「イエス」
即答。
おっぱいは正義だ。
菜「じゃあ………いいよ」
手を後ろに回してウェルカムなポーズを取る。
理「失礼します」
両手でぽよんとした胸を優しくつかむ。
理「!」
柔らかい。
かつての菜奈の胸も柔らかかったが、巨乳になると別格の柔らかさが生じている。
理「すげえ…」
もうちょっと弾力を味わいたい。
手に力を入れて強く揉んだ瞬間、
朝。
理「あれ?」
さあこれからという時に目が覚めてしまった。
夢というのはわかっていたが現実に戻ると寂しい。
ふと、手を見ると、枕をつかんでいた。
最近買った低反発の枕だ。
………これを菜奈(巨乳版)の胸と勘違いしたのか。
巨乳か。
朝食を食べ、歯を磨きながら考えた。
菜奈の胸なら小さかろうと大きかろうとかまわないのだが。
巨乳ねえ……。
朝のニュースを見ながら表示されている時刻を確認する。
今日は菜奈と遊びに行く予定だった。
妙な偶然というか何というか。
そろそろ菜奈が来る時間だ。
玄関に向かい、靴を履く。
…ぼちぼち来るかな。
そう思っていた直後、玄関のドアが開く。
予想通り菜奈だった。
菜「理央っ、早く早く!」
遊びに行くというのもあって菜奈ははしゃいでいる。
受験のストレスが溜まっていたのだろう。
ぴょんぴょんと跳ねてこちらを急かす。
ふと、菜奈の胸を見る。
…………………。
理「……うん、いいか」
菜「うん?何が?」
理「んー、このままでいいかなって」