『萌え』の要素

本日は文化祭。
理央と菜奈のクラスは喫茶店。
前日までの男子の役割は材料、椅子、テーブル等家具の調達。
要するに肉体労働。
理「あー…帰りまで待機はダリいよなあ、折角の日曜日が見事に退屈になっちまった」
そして片付けも男子が担当。
男子「ホントだよな。肝心の本番は女子が頑張ってくれてるけど」
女子は制服に着替えてウェイトレスを担当。
理「…そういや女子の制服ってどんなんだ?俺知らねえけど」
男子「確かニーハイソックスでミニスカっぽい『萌え系』らしいな」
理「……大丈夫か、俺らの喫茶店」
お触り騒動で文化祭が中止にならなければいいが。
男子「ああ、その辺についてはプリントが貼ってあるから。ほれ」
理「ん?」
用紙には、

ウェイトレスに意図的にお触りをした場合、問答無用で5万円の罰金(本気です)。

理「………これなら大丈夫そうだな」
菜奈がセクハラを受ける可能性はゼロのようだ。
男子「どうせヒマだし、ちょっと喫茶店に行こうぜ」
理「そうだな。売り上げに貢献してやろうぜ」
頼むのはコーヒーだけだが。

喫茶店を営業している自分の教室へ行ってみると、状況がおかしい。
理「……おい、なんだこの行列」
教室の前にずらりと行列ができている。
ちなみに並んでいるのは全員男。
男子「ウチの喫茶店かよ!?いくらなんでも並び過ぎだろ!」
教室の入口で女子がメモ用紙片手に何人で来ているか聞いている。
理「…ん?あれ河本じゃねえか」
もちろんウェイトレス姿。
男子「あ、ホントだ。あいつも頑張ってんなあ」
知「あれ?理央じゃない」
理「よお、お前もそのカッコか」
知「ど〜お?似合うでしょ?」
理「で、菜奈は?」
見事にガン無視。
知「……菜奈なら中で働いてるわよ」
男子「満席か?それだったら諦めるけどよ」
知「ああ、ウチのクラス用の席があるからそこに座ってて」

教室の中に入ると、大盛況で、見事に満席。
教室の一部が大きいカーテンで仕切られており、おそらくカーテンの向こう側が女子の職場なのだろう。
教室の片隅に『クラス専用』の札がついた席を見つける。
理「お、これか」
座り、机の上にある鈴を見つける。
多分これでウェイトレスを呼ぶのだろう。
早速鈴を鳴らす。
はーい。
菜奈、男子のとこちょっと行ってきて。
うん。
女子の声がカーテンで仕切られている向こう側から声がする。
菜奈が来るのか。
男子「…気になるか?」
…確かに気になる。
まあ制服は共通だし知美のでどんな感じなのかはわかったので悶える可能性は無い。
理「知美のでわかったからな。そう簡単に悶絶する事は……」
ちょうど菜奈が来た。
菜「いらっしゃいませ……あれ?理央なの?」
理「お…おう…」
知美と同じコスチューム。
しかし、クオリティが全然違う。
ニーソックスとミニスカの間のちらっと出ている生足の部分がものすごくかわいく見える。
普段の菜奈と違って新鮮に見える。
菜「何にする?」
おまけに幼馴染なので親しい問いかけで聞いてくる。
理「俺はホットコーヒー」
男子「俺はアイスコーヒーね」
菜「じゃあちょっと待っててね」
菜奈がカーテンの向こうへと戻っていく。
理「…………」
男子「お、おい、どうした!?」
理「や、やべえ…萌えた」
男子「……お前の彼女なら何でもアリだろ」
まあそういう事です。
そしてホットコーヒーとアイスコーヒー持ってきたのは…。
知「お待たせ、ホットとアイスね」
理「……あんだよ、オメェかよ」
テンション大幅にダウン。
知「アンタぶん殴るわよ!?」

後書き

自分はニーソ+ミニスカの絶対領域は好きではないです。
実際に見た事もありますが何も来なかったので好きではないんでしょうね。
中途半端なのはどうも好きではなく、それなら黒ストッキングとか生足の方が好物だったりします(笑)
まあ本文のように好きな子なら苦手な萌えの要素も好きになれるのではと思います。
それでは次回にて。