模倣犯

理「あー、やっと全キャラクリアか…」
受験勉強ですっかり2、3日に1時間ぐらいしかゲームをやらなくなり、半年ほど前に購入したギャルゲーをようやくクリア。
さて、これでこのゲームも終了。
理「…………そういえば」
このゲームはヒロインとの会話がウリとなっており、会話をする事によって好感度が上がるようになっている。
また行動によって好感度が変化するようにもなっている。
理「これ実際にやったらどうなるんだ…?」
………まあ、うまい具合に菜奈がいるわけだし、ものの試しにやってみっか。

翌朝。
朝の支度を終えて、菜奈が来るまで玄関で待機。
そろそろ来るかな、と思っていたら玄関の戸が開く。
菜「理央、おはよ」
理「おう」
…さて、早速やってみるか。
とりあえず、見つめてみるか。
じー…。
菜「……ん?どうしたの理央」
じー…。
菜「…え……な、何?」
菜奈がちょっと照れて困ってきた。
じー…。
菜「……も、もう……ずるいよ…」
赤くなってうつむく。
……すげえ!このゲーム作った人多分神!
さて、ぼちぼち学校に行かないとマズイか。
……念の為にダメ押しで。
ぎゅっ
手を握る。
菜「!」
赤くなりつつもびっくりする。
………すごいリアクションだな。
多分じゃない、作った人は間違いなく神。
菜「きょ、今日の理央ちょっと変だよ…」
まあ、ギャルゲーの模範演技だしな。
理「ん、気のせいだろ。とっとと学校行こうぜ」
菜「う、うん」
菜奈が振り向いて道路へ出ようと瞬間、
猛スピードで走り抜ける車が目の前を通り過ぎた。
菜「きゃっ!」
菜奈はびっくりしてバランスを崩す。
理「菜奈!」
とっさに倒れそうになる菜奈を抱き止める。
危機一髪。
理「ふー……大丈夫か?」
菜「あ…うん………あっ……り、理央……」
理「ん?どっかケガしたか」
菜「そうじゃなくてね…その……手…」
理「手?」
菜奈の手は右手に鞄、左手はなんともない。
となると、俺の手?
えっと、右手は…………。
菜奈の胸!?
理「うわっ!?わっ、わりぃ!」
瞬時に手を離した。
菜「う、ううん」
理「いやその…悪気はねえのよ、マジで」
頭をボリボリとかきつつ弁解をする。
菜「……ふふっ、いつもの理央に戻ったね」
理「……あっ」
……そうだな。
何かの受け売りをしなくても菜奈と普通に接してればいいんだよな。
理「さっ、行こうぜ」
菜「うんっ」

後書き

今回参考にしたゲームは『キミキス』と『アマガミ』だったりします。
プレイした事のある人は本編を読んですぐにわかると思います(笑)。
まあ実際にこれと同じ事をマネしても好感は得られないと思うのですが、まあゲームですので。
次回は一波乱を起こそうと思います。
それでは次回にて。