M・Y・K・B・C

昼食。
購買所で買ったパンを取り出し、早速食べようとする、が。
菜「理央、一緒に食べよ」
理「おう」
菜奈がやってきて一緒に食べる事になるのがいつものパターン。
菜奈も弁当を取り出し、一緒に『いただきます』と言って食べ始める。
もぐもぐとパンを食べていると、
菜「ねえ、理央」
理「ん?」
菜「お弁当、作ってきてあげようか?」
理「えっ?何でまた」
菜「理央のお昼ってパンばっかりだから栄養が偏ってると思ってね」
確かにここ一年くらいはパンだけのような気がする。
理「けどいいのか?俺の分まで作ると大変だろ?」
菜「その分多く作るだけだから大変ないし、そ、それにね…」
理「それに?」
菜「…女の子にもね、『彼氏ができたらしてあげたい』っていうのあるもん」
菜奈が顔を赤くしつつ本音を言った。
理「う、そ、そうか」
まあ弁当を作ってもらうというのも『彼女ができたらしてほしいランキング』に入っている。
理「ん…じゃあ、お願いしてもらおうかな」
菜「本当?それじゃ明日から作るから……あ、あとね」
理「あと?」
菜奈が手を出して、
菜「お弁当代の300円ね」
理「…だよな」

翌日の昼休み。
さて、今日から菜奈が弁当を作ってくれる事になる。
そういえば菜奈の食べてる弁当って結構バリエーションがあった。
飽きないように色々工夫しているのだろう。
菜「理央、お弁当作ってきたよ」
そんな事を考えていると菜奈が来た。
弁当を自分の所に置き、そして俺の前にも。
理「それじゃ、開けるぞ」
菜「うん」
ぱかっと弁当の蓋を開ける。
サンドウィッチになっており、具は卵とレタス、ちょい厚めのハムとチーズ、ローストビーフと非常にバラエティに富んでいた。
理「オオオオオヲヲヲヲヲヲ…」
菜「なっ、何!?どうしたの!?」
理「いや…300円でこんなすげえサンドウィッチができるとは…」
菜「昨日の晩御飯の残りも使ってるからね。それじゃ食べよ」
『いただきます』と2人で言い、最初はハムとチーズのサイドウィッチを一口。
菜「ど、どう?」
理「うん、うまい」
ハムとチーズの相性がこんなにいいとは思わなかった。
菜「よかった〜、おいしいと思ったけどやっぱり不安だったんだ」
理「そんな事ねえよ、お前の弁当うまそうだったし、多分おいしいんだろうなって思ってた」
菜「そ、そう?それならいいけど…」

そして、この二人の外野である生徒全員がこう思った。
ノロケは勘弁して!

ローストビーフ、卵とレタスのサイドウィッチと食べていく。
…俺は幸せ者だな。
かわいい彼女にうまい弁当作ってもらえるんだから。
菜奈が何かに気づいた。
菜「理央、ほっぺにレタスついてる」
菜奈が自分の右の頬をつつく。
鏡のように見ているのだろうか。
左の頬を触る。
理「どこ?」
菜「そっちじゃなくて、右、右」
右の頬か。
触ってみるが、レタスらしきものは無い。
理「どこだ?ないぞ?」
菜「もう、ここだって」
菜奈は頬よりも少し上の所を触り、レタスを取った。
そこだったか。
が、菜奈はそれを食べた。
理「えっ、あっ、おっ…!?」
菜「え?」
菜奈は気づいてない。
菜「………あっ………」
みるみる赤くなっていく。
気づいた。
菜「その…ごめんね」
理「い、いや」

周りの生徒達は心の中で叫んだ。
もうやだこのバカップル!

後書き

菜奈は料理が出来るタイプのヒロインにしています。
よく考えたら今まで考えたヒロインは家庭的なイメージがまったくありませんでしたのでこの流れは必然だったのかもしれません(笑)。
それでは次回にて。。

今回のコラムはこちらっ