菜「嘘……」
菜奈は中間テストの結果発表に愕然としていた。
上位50名は校内の目立つ所に掲載される仕組みになっている。
そしてその50位に理央の名前があった。
自分は70位と良くはなっていたが、理央の急成長に驚きを隠せなかった。
理「どした?菜奈」
ちょうど理央がやってきた。
菜「りっ、理央、こっ、これっ…」
菜奈の指の先を追っていくと、菜奈が驚いた原因が理解できた。
理「おっ、50位じゃん。今回はヤマが当たったな」
ヤマというと勘のようないい加減なものと思われるが、出題の傾向をある程度把握している証拠だ。
成長している。
それもとんでもない勢いで。
理「はっはっは、どうだ菜奈、惚れ直したろ?」
思いもよらない言葉がやってきた。
菜「ほっ、惚れ直してなんかないもん!」
理「えっ!?」
菜「……最初から惚れ続けてるもん」
理「う……お前またそういう事を…」
放課後はいつも通り一緒に帰る事に。
菜「でも凄いね、学年で50位なんて」
理「んー、そうか?たまたまだろ」
菜「もっと頑張れば10位とかいけるんじゃない?」
理「んー、ぶっちゃけ学年順位なんてどうでもいいんだよ。卒業できればさ」
菜「えっ?」
理「どんなに学校のテストが良くても、肝心の大学入試が悪かったら元も子もないだろ」
菜「あっ…」
そうだ。
本番で失敗してしまったらどうしようもないのだ。
理央はちゃんとその事をわかっていた。
………やっぱり成長しているんだな。
理「テストで最下位になってもさ、その……」
理央は頭をバリバリとかく。
理「同じ大学、行きてーしさ」
菜「う、うん…私も」