戦後の放課後 二日目

今度こそ答え合わせするわよ。
帰り道に理央に言った。
今度は変な事が無いように理央の家で答え合わせをする事にした。
そんなわけで理央が飲み物とお菓子を持ってくる間、理央の部屋で待つ事にした。
……ベッドに座るのは危険だからやめよう。
テーブルがある事だし、座布団を敷いて座って待つ。
ふと、ベッドの下に何かが見えた。
菜「……何かな」
ベッドの下を覗く。
暗くてよく見えないが、何かが奥にある。
手をベッドの下に入れ、腕を精一杯伸ばす。
ギリギリで届き、指で押さえつつこちらに引き寄せる。
ようやくつかめる距離まで引き寄せ、その何かを持ち、ベッドから出した。

菓子と飲み物が乗ったお盆を持ちつつ階段を上る。
まさか昨日の俺みたいに菜奈が寝てなければいいが。
……まあそんな事はないだろう。
アレが異常なだけ。
自分の部屋の戸を開ける。
理「菜奈、待たせ……」
菜奈が何かの本を読んでいた。
その本の表紙は見覚えがあった。
……それは確かベッドの下にあった……………。
理「あっ、俺のエロ本!」
菜奈は顔を真っ赤にしつつ、『むー』と言いたげな口をしていた。
菜「………どスケベ」
理「何で『スケベ』から『どスケベ』にグレードアップするんだよ」
菜「問題はそこじゃないでしょ!何だってこんな……うー」
文句を言いつつもパラパラとめくっていく。
理「じゃあ読むなよ」
菜「うるさいうるさいうるさーい!彼女がいるのに何でこんな本持ってるのよ!」

理「何だよ!じゃあ俺が『菜奈の裸見たい』って言ったら見せてくれるのかよ!」
菜「み、見せるわよそのぐらい」
理「え!?」
予想だにしない返答だった。
……本当に見せてくれるのか?
菜「ぬ、脱ぐぐらいたいした事ないんだから」
その割には緊張しているようだが。
菜「ちゃ、ちゃんと見てなさいよ」
制服のままだったのでブレザーの上着を脱ぐ。
そして次はブラウスの部分。
首の部分からボタンを外していく。
しかしというか、やはりというか、ここで止まった。
胸元のところでボタンを外す動きが完全に止まった。
菜奈は唇を噛んでいる。
本当はすごく嫌なんだろう。
何かに抵抗するように手がブラウスの襟を持つ。
おそらく無理矢理広げようとしている。
……あー、無理し過ぎだろ。
やがて菜奈の目が涙でにじんできた。
理「ストップ!俺が悪かったから無理すんな!」
脱ぎ捨てた上着をばさっと菜奈にかける。
無理してまで裸を見たくはない。
理「あーもう、嫌なら無茶すんな」
菜「………うん、ごめんね」
理「お前が謝る必要はどこもねえだろ」
菜「………ねえ、理央」
理「うん?」
菜「…見たくないって事はないんだよね?」
理「ん?そりゃまあ見たくないって言えば嘘になるしな」
見てみたいのが男だと思う。
菜「……じゃあ、はいっ」
ちらっ
理「!!!」
菜「おっ、おしまい!じゃあね!!」
トトトッと軽快に、というか大急ぎで階段を駆け下りていく音がした。
そしてその音も消えた後、机に突っ伏した。
……いくらなんでもズルイだろ!
ずっと凝視するよりも一瞬だけ見える方が記憶に残り続ける。
ほんのり熱を帯びた肌。
ほんの少しだけ見えたブラの肩紐。
当分あの光景は忘れられそうにない。
理「あー……答え合わせなんてできそうもねえな…」

後書き

前回もそうですが中途半端な展開になりましたが、次回から進展話となります。
かなりの長編となります。
実際はブツ切りにするので短く感じると思われますが。
それでは次回にて。