ノワール

コンコン。
ドアのノック音がした。
『どうぞ』
『し、失礼します』
カラカラという戸の開く音と共に入ってきたのは可愛らしい女子生徒。
見た目から推測すると1年生だと思われる。
まだ初々しさが感じられるのは1年生特有のものだろう。
『ふふっ、いらっしゃい』
にこりと微笑み、挨拶をする。
『はっ、はじめまして』
まだ緊張しているためか、声が上ずっている。
『ええと、一年生かしら』
『は、はい』
最初の予想通り一年生だった。
『ふふ、緊張しなくてもいいから』
『そ、そう言われましても……先輩素敵ですし』
この一年生の発言から推測すると、誰かから自分の事を知って訪ねて来たのだろう。
一言で言えば憧れ。
誰かに憧れる立場、というのは嬉しいものだ。
しかしこの一年生を見て2つの疑問がすぐに出てきた。
『ちゃんと私の事を知っているのか』という事。
そして、『この部屋はどんな部屋なのか知っているのか』という事。
しかし、この2つの疑問は自分にとって何でもない。
むしろこの2つの疑問は一年生の為にあるのだ。
椅子から立ち上がって、一年生に近づく。
『素敵って言ってるけど…どう…素敵かしら…?』
一つ目の疑問を聞いてみる。
『そ、その…何度か見た事ありますし、クラスの女の子も憧れるって…』
どうやら『真実』を聞かされていないようだ。
次にこの部屋の事を聞いてみる。
『ここの部室、どうかしら?』
『え…?』
一年生のリアクションを見る限り、この部屋の構造は知らないようだ。
ならば、教えればいい。
『ここの部屋ってね。防音なのよ』
見た限りでは単なる部室のようだが、実際は防音になっており、音は聞こえない。
どんな音も。
一年生の後ろに回り込み、入り口のドアをロックする。
『えっ』
するりと手を一年生の前へと運び後ろから抱擁する体勢をとる。
『せっ、先輩っ…』
『あなた、セックスした事あるの?』
『なっ………』
一年生は絶句する。
そう、これが『真実』。
『ふふ、その反応でわかったわ』
処女である事。
そして性行為に対してウブである事。
抱擁をしていた手は一年生が身に着けているセーラー服の中に潜り込む。
さらにその手はブラの中へと入る。
『やっ、やめてくださいっ…』
『あら、悲鳴でも上げるのかしら?』
先程言ったように防音になっており、悲鳴を上げても無意味。
『それにね、もし誰かに聞かれたらあなただけがあられもない姿を見られるのよ』
これから行われるのは一方的な性行。
こちらは何も見られない。
勝ち目の無い勝負を悟った一年生は、声を出すのをやめた。
耐える。
それしかなかった。
もちろん、そうなるであろう事はわかっていた。
そしてその耐える姿を堕とす事がこちらの喜びなのだ。
手の動きを再開する。
胸を包むように揉む。
『小さい胸ね、かわいらしいわ』
『っ……』
『乳首は……どうかしら』
まだ誰にも触られた事のない乳首をそっとつまむ。
『っ……!』
『ほぉら……くに……くに…くに…』
乳首をつまんだまま上下もしくは左右に動かす。
『っ……っ……っっ…』
懸命に耐える一年生。
しかし、身体は違う反応を起こしていた。
『……あら……固くなったわね。いやらしい…』
乳首が固さを増してきた。
『ち…ちがっ…』
『ふうん…』
少し強めにつまんだ。
『ひゃあっ…』
その刺激に思わず声を出した。
『あら、気持ちよさそうな声ね』
『っ……!』
一年生は片手を口に当てて声を出さないようにした。
『あら……必死ね…でも、それだと片手が使えないわよ』
胸の愛撫をしていた手が次に向かった先はスカートの中。
『んんんっ…』
『嫌なの?でも、手を口に当ててちゃ防げないわよ』
片手ではこちらの性攻を防ぎようがない。
一年生は悪手を選んでしまった。
手は無防備になっているスカートの中へと入りこみ、さらに下着の中へと入る。
中に入れた瞬間、一年生の身体の変化を把握した。
『あら……オマンコがもうびしょびしょじゃない…』
『っ……!』
一年生の顔が真っ赤になる。
『もしかして…一年生なのに淫乱なのかしら…』
『んーっ、んーっ…』
一年生は懸命に首を振る。
『ふふ…否定できないわよ…オマンコからえっちなお汁が大洪水よ……』
手を取り出し、一年生にその手を見せる。
確かにその手は粘り気のある液が大量に付着していた。
『ほおら…こんなに……』
一年生の頬に塗りつける。
『っ…!』
『乳首をイジっただけで濡らしちゃうなんて……ヘ・ン・タ・イ…』
耳元で囁く。
続けざまに舌で耳全体を舐め上げる。
『んんっ…!』
『変態なあなたにプレゼントしなきゃね』
胸ポケットから取り出したのはピンク色の小さいローター。
『……?』
意識があやふやな状態の一年生はそれがどんなものか理解できなかった。
『これはね…こうするの』
ローターを持った手は一年生のセーラー服の中にに入りこみ乳首の部分に当てる。
『スイッチ、オン』
声と同時に、ローターに繋がっている部品のスイッチを入れる。
突如、ローターが非常に細かい振動を起こす。
『ひゃっ、ひゃああっ…ふゃあああっ…!』
手で口を押えていたが、想像していなかった刺激に思わず声を上げる。
『ふふ、どう?乳首にブルブルーって素敵な刺激でしょ?』
『せんぱっ…やめ……ゃぁんっ!』
『どうやら気に入ったようね。でも…』
ローターは下の方へと動いていく。
『こっちはもっと素敵になっちゃうわよ』
『せっ、せんぱいっ…やだっ…こわいっ…』
自分の想像しているものとは別次元の刺激がやってくる事に恐怖を覚えたようだ。
しかし、ここでやめる気はない。
むしろここからが本番なのだ。
『大丈夫よ。むしろ怖さから解放されるわ』
言い切ると同時にローターを当てた。
『ひあっ…ひゃああああんっ!』
乳首に当てた時以上の反応があった。
『そろそろイッちゃうのかしら?』
『はっ、はひぃぃっ…!』
呂律が回っていないが、確実に聞き取れた。
『イキなさい。私の前でちゃんと説明しながら、ね』
『はいぃ!せんっ…せんぱいのまへでっ!ろぉひゃあでっ…っ…っ…いっ…イッちゃっ………』
言葉が途切れた。
いや、本人は声は出したつもりなのだろう。
ただ、イッた衝撃によって声を出せなくなった。
『っ…っっ……っっ…!』
ビクンッビクンッと跳ねるような動きを見せた後、ずるずると崩れ落ち、床に倒れ込む。
タオルを肩の辺りに置く。
『それ、あげるわ。拭き終わったら帰ってもいいわよ』
そう言って、部屋を後にした。

翌日。
コンコン。
ドアのノック音がした。
『どうぞ』
『失礼します』
入ってきたのは昨日の一年生だった。
『あら、またあなたね』
『はい』
しかし雰囲気は別人だった。
昨日の性行の影響だろう。
ただ、態度も別人のように感じた。
『…今日も私のお相手をしてくれるかしら?』
『いいえ』
即答だった。
『……そう』
『私は……ここにはもう来ません』
『……そう』
『さようなら』
一年生は礼をしてこの部屋から去った。
別に最後の挨拶のために寄る必要はなかったはずだろう。
ただ、自分の中で決別をしたかった。
そう感じた。
あの一年生はこの後どうするのだろう。
教師にでも訴えるのだろうか。
それとも両親にでもこの出来事を伝えるのだろうか。
おそらく、両方ともないと断言できる。
伝えるという事は、自分の淫らな姿を晒すのと同じなのだ。
あの一年生は、もう元の色には戻れない。
極めて少量の黒が入った時点でもうその色はその色でなくなる。
もう、黒になるしかないのだ。
『ふう…』
溜息をついた。
今度この部室に誰かが入ってくるのはいつなのだろう。
その思っていた矢先、ドアから音が放たれた。
コンコン。
ドアのノック音。
『どうぞ』
『失礼します』
先程の一年生ではなく、別の一年生。
しかし、この一年生とは初対面ではなかった。
『いらっしゃい』
『は…はい…』
よろよろと一年生はこちらに近づいてくる。
『お…お願いです…』
そして突如懇願をしてきた。
『…何をお願いしたいのかしら?』
私は意地悪な答えをする。
『こっ…これおおっ…』
一年生は自らのスカートをめくりあげた。
露わになった場所は、異常な光景だった。
下着はなく、その代わりにバイブが深々と刺さるように入っており、そのバイブは微妙に振動を起こしていた。
動いてはいるが、快楽を満たせる程の動きではなかった。
蛇の生殺し。
『はっ…はやくイカせてくださいっ…もうつらいのやですっ…!』
この一年生には昨日からこの状態だった。
トイレにも行けず、寝る事も許されない。
この24時間は拷問とも言える。
『ふふ、よく耐えたわね』
『はっ…はいっ』
こちらの言葉に一年生の顔は喜びに満ちている。
決して拷問ではなかった。
より純度の高い快楽へと導くための忍耐だと思っているからだ。
バイブのスイッチを取り出す。
『ああっ……はやくっ…はやくっ…』
『はいはい、今すぐ楽にしてあげますよ』
親指にスイッチに当てる。
『思いっきり、イキなさい』
振動のレベルを最大に上げた。
それまで中途半端な振動を出していたバイブは突如、狂ったような振動を起こす。
その急激な刺激に一年生は啼く。
『はぃぃっ!イキますっ!オマンコ見せながらっ!せんひゃいのまへでイキますうっっっ!!』
悲鳴とも叫びともわからない声を上げて一年生は果てる。
『ひゃっ…はああぁぁぁぁぁっ……!』
ずるりとバイブは抜け落ち、その直後黄金色の小水が一年生の股間から放物線を描いて放たれる。
部屋に小水の跳ねる音が響く。
『はーっ…はーっ…』
一年生は恍惚の表情をしていた。

黒から逃げるか、黒に染まるか。
選択肢はそのふたつしか無い。

後書き

今回あえて『淫語』を解禁してみました。
今までは淫語を使わない事を前提に18禁を書いてきましたが、『そもそも使わない理由なんてあるのだろうか』と思い、自分自身を実験として書いてみました。
結論は正直なところ、出ておりません。
これが道標になるのかどうかもわかりません。
その場のノリで書いた最後の文である『黒から逃げるか、黒に染まるか』はもしかすると自分に対しての問いなのかもしれません。
それでは次回にて。