サキュバス

『ふふ…まさかこんな若い人だったなんて…』
彼女の年はどのぐらいだろうか。
20代、ではない。
30代であろう。
年増というほどでもない。
熟女と言えるかどうか。
もう2、3歳年をとれば熟女といえる。
そんな年に見える。
一方、自分はというと、18。
干支が一回り以上する程の年の差。

きっかけはほんのちょっとした好奇心から。
そんなうまい具合にいくはずがない。
そう思っていた。
けど、こんなことわざがあるのを思い出す。
『事実は小説よりも奇なり』
時にはうまく行き過ぎる場合もある。
それが今なのだろう。

そしてそのままホテル。
そして彼女はベッドに座っている自分の隣。
その隣の距離はゼロといってもいいくらいだ。
体が当たっている。
というよりも、彼女が当てに来ている。
アプローチしてきている。
彼女の手が、こちらの手に触れる。
その手にどきりとする。
『初めて、なの?』
『あ、は、はい』
声が上ずっている。
自分でも笑ってしまうような声だった。
彼女はくすっと笑った。
『そうなんだ』
彼女の手は自分の手の先、太腿のところへ手を伸ばす。
腿をさする。
その手が妙にいやらしい手つきだった。
いやらしい手つきは男だけかと思っていた。
が、その手つきは女もできるものなのかと感心する。
そして、手はその先。
『んっ…』
ジーンズ越しにでも、その手は確実に触っている。
『ふふ…気持ちいいの?』
『あっ…は…はい…』
『じゃあ…もっと気持ちよくしてあげるね』
ジーンズのベルトが外し、ジーンズを下ろされる。
下半身はトランクス1着のみ。
彼女による愛撫は効果はすでに出ていた。
『それ』はトランクスを持ち上げ、ちょっとしたテントのようになっていた。
『ここはどうなってるかなぁ…』
トランクスを下ろした瞬間、
ぶるん、とそれが跳ねるように出る。
その動きに彼女はちょっと驚く。
『すごい…こんなに元気…』
彼女の目は嬉しそうだった。
彼女の手がそれを触る。
『固くて…すごい熱い…』
触っていた手は次第に握るようになり、ゆっくりと動かし始める。
『うあっ…』
思わず声が出る。
彼女の手は温かく、動かす早さもちょうど良かった。
『どう…気持ちいい…?』
『はっ…はいっ…』
自分のを見ると、すでに先端から汁がにじみ出ていた。
『じゃあ…もっと気持ちよくしてあげる…』
彼女の唇から舌がちろっと出て、舌なめずりをする。
その動きはとてもいやらしく見えた。
彼女の口が自分のを食べる。
ちゅうっ、じゅうっと吸う様な音。
時々、汁気が混じり、じゅるっ。
彼女の口内はとても熱く、溶けてしまいそうだった。
そして、口内に潜む舌がまるで生き物のように自分のを舐め上げる。
『あっあっ……ぅあっ…』
情けない声が出る。
こんなに気持ちいいとは思わなかった。
もう限界だった。
『もっ…もう…出ます』
しかし、彼女はやめようとはしない。
彼女の耳に届いている。
もう我慢できなかった。
『ごっ、ごめんなさい…でますっ』
精を放った。
というより放ってしまった。
彼女はさらに強く吸い上げる。
精を貪欲に吸っていく。
『あっ…ああっ…あああ…』
そのまま絶頂が続く。
精を放ち終える。
『はあ…はあ…』
呼吸を整える。
自慰は何度もしているが、ここまで気持ちよくはない。
女性の口というのはこんなにも気持ちいいものだったのか。
女性の口。
瞬間、しまったという後悔が襲う。
『ご…ごめんなさい……出ちゃいました…』
『ふふ…いいのよ。あなたの、とっても濃くておいしかったわよ』
女性はくすりと笑う。
普通に喋っているところを見ると、精は飲み込んだようだ。
ふと、女性が自分の『それ』を見る。
ほんの少しだけ、精が垂れていた。
『綺麗にしてあげるわね』
再度、彼女の口に中に納まる。
そして再度、吸引が始まる。
一度出したというのに、鈍くならない。
このままだとすぐに出してしまいそうだった。
『うっ…あ……あ…』
快楽の波に耐えるしかなかった。
しばらく耐えていると、彼女が『それ』から唇を離す。
『あんなに出したのに……若いって素敵ね…』
『それ』は萎える事なく、重力に逆らったままその角度を維持している。
我ながらすごいものだと関心した。
『ねえ…』
彼女が言う。
『私の…裸……見たい?』
彼女の言葉に、生唾を飲んだ。
部屋に響いてもおかしくない程大きく聞こえた。
『は…はい…』
男として当然の答えだろう。
『もう…あまり若くはないけど…』
着ていた服をする、すると脱いでいく。
下着が露になる。
それと同時に、彼女のスタイルの良さが現れた。
大きな胸。
細めのウエスト。
ほどよい、大きめのヒップ。
若くない?
そんな事はなかった。
下手をすると20代の女性よりもスタイルがいいかもしれない。
『綺麗です…』
『…お世辞は…いいわよ』
彼女が赤くなる。
『お世辞なんかじゃないです。ホントに綺麗です』
『ふふ…ありがとう』
そしてブラを外し、ショーツを下ろす。
『…私の身体…あなたのを食べているうちに熱くなっちゃった…』
彼女の言葉通り、彼女の身体は熱を帯び、割れ目からは湿り気が見えた。
『私のあそこ…見たい?』
また生唾を飲んだ。
『はい…』
『じゃあ、ちょっと横になってね』
言われるまま、ベッドに仰向けになって寝る。
直後、天井を向いた視界に彼女が入る。
そして、くるりと身体の向きを変えた。
視界に入ったのは、彼女の割れ目があった。
これが女の人の…
おそるおそる、その割れ目を触る。
『んっ…』
彼女が反応を見せる。
『すごく…綺麗です…キラキラ濡れてて…』
ひだを優しくこねる。
『あっ…そこっ……ぁ…っ…』
奥の方から粘り気のある体液が出てくる。
それを舐めとる。
『そこ…ぉっ……上手よ…』
舐めても舐めても奥から溢れ出る。
『もっと…触ってぇ…っ…』
彼女の手が自分の手をつかむ。
そしてその手は割れ目の付け根にある小さな豆へと。
その部分をくに、と触る。
『ああぁっ…そこ……気持ちいいわ…』
さらにその部分をいじっていく。
『ああんっ……あなたも…気持ちよくなって……』
彼女はそそりたつ『それ』を再び口に含む。
快楽が再び襲ってくる。
それに負けまいと、割れ目に愛撫を続ける。
そして彼女も。
その繰り返しが続く。
我慢比べに負けたのは自分だった。
『うっ…また…出ますっ…』
『いいわ……私のお口に…出してぇっ…』
ちゃんとした許可が下り、逆らう事無く彼女の口内に再び放つ。
『うっ…あ…あっ…』
2度目の強烈な快楽が自分を襲う。
そして、彼女は2回とも精を全て飲み込む。
呼吸を整え、彼女に言う。
『俺…口だけじゃ…』
『…どこに出したい?』
彼女がくすっと笑いながら言う。
『あなたの…中に出したい』
『うん…私ももう我慢できない…』
彼女はゆっくりとこちらの上にまたがる。
そして、彼女の中にゆっくりと入っていく。
『んっ…ああんっ…』
中は熱く、生き物のようにこちらをきゅっと締め付けてくる。
よくミミズ千匹と例えられるが、ミミズに例えるのが失礼な気がする。
それぐらい、彼女の中は気持ちよかった。
『動くわね……あっ…ああっ…いい…っ…』
彼女が動き始める。
すでに2回精を放っている。
そのため、鈍さを利用して、彼女の中を堪能できる。
もっと、この気持ちよさを長く感じていたい。
余った両手を彼女の胸に伸ばす。
大きく、豊かな胸は柔らかかった。
ぎゅっと握る。
『ふぁぁぁっ…もっと、もっとぉ…』
彼女の恍惚とした表情にぞくりとした。
艶があった。
その表情はこちらを興奮させる材料だった。
より強く、より激しく胸を揉む。
『さっ…先もぉっ…』
彼女の要求通り、胸の先端をきゅっとつまむ。
『ふゃぁぁっ……』
彼女の身体がびくんっと跳ねる。
それと同時に、中で締め付けてくる。
その締め付けは射精感を起こすのには十分だった。
『俺っ……出ます…っ…』
『わたしも…わたしもぉっ…』
彼女の身体が一段と強く跳ねた。
『あっ…あ…ああ…あぁぁぁっっ…!』
ぎゅぅっ
中で一気に締め付けられる。
その締め付けに耐え切れず、精を放った。
『あぁ……いっぱい……でてる…っ…』
彼女はびくっ、びくっと軽い震えを起こしつつ、自分の方にゆっくりと倒れこむ。
彼女の荒い呼吸が聞こえる。
そして自分も、似たような呼吸をしていた。
情事を堪能した、けだもの2匹の呼吸だった。

『ねえ…お風呂…入りましょう…』
彼女の言葉で気がついた。
彼女の身体は汗でびっしょりだった。
当然、自分も。
『はい……でも…』
『でも?』
『も…もう一回いいですか?』
彼女の目がきょとんとした。
そしてその目は微笑みに変わる。
『いいわよ…』

『うっ…くっ…は…あっ…』
彼女の手が自分の『それ』をゆっくりとしごき上げる。
彼女の手だけではない。
風呂場にあったシャンプーだ。
シャンプーの液を手にある程度つけ、それでしごき上げる。
ぬるっとした感触が気持ちよかった。
しかし、彼女の性攻はそれだけではなかった。
彼女の手がこちらの胸を触りだす。
『女の子だけじゃないのよ…ここを触って気持ちよくなるのは…』
きゅぅっと先端をつまんでくる。
『うぁっ…』
なんとも言えない感覚が全身を襲う。
『男の人も…敏感なのよ』
耳元で甘い囁きが聞こえる。
先程静まったはずの荒い呼吸が再び始まる。
『もう…我慢できない?』
『はい…』
『ふふ…今度は…あなたの好きに動いていいわよ』
彼女が立ち上がり、壁に近づく。
壁に手をつき、くいっとお尻をこっちに向ける。
求愛のポーズ、とでもいうのだろうか。
お尻を動かし、挑発するかのような動き。
その光景は、艶かしく、艶やかだった。
言葉を発する必要はなかった。
彼女のお尻をつかみ、彼女の中に侵入する。
『あぁっ……!』
『動かしますよ…』
先程は彼女から動いたため、射精感があっという間にきてしまった。
しかし、自分から動かす事によって射精感をある程度操作できる。
時にはゆっくり、時には激しく。
『ふぁっ…あぅ……きゃふっ……』
その行為の激しさの度合いによって、彼女から発せられる声がころころと変わっていく。
『もっと、もっとぉ…!』
騎乗位の時にもあった、絶頂に近い彼女の声。
終わりが近い。
そして自分も。
動かす動きから、打ち込むような動きへ。
ぱぁん、ぱぁんっ。
自分の腰が彼女のお尻にぶつかる度、快音が風呂場に響き渡る。
『ぁぁっ…!…らめぇ…へんに…なっちゃぅぅっ…!』
『でっ…出ま…す…っ!』
精を放つ。
『っ……あ…ぁぁ…あぁぁぁっっ…っっ……!』
『うっ…あ…ぁぁ…ぁ…!』
お互いに叫んだ。
快楽に溺れた、うめき声。
完全なる、情事の終焉の音色だった。

後書き

今回の作品は『愛のないセックス』を考えたものでした。
キスが一切無いのはそのためです。
愛がなければそれはただの快楽を貪るケダモノしかない。
それは、愛のあるセックスよりも淫らで艶やかな存在ではないかと思います。
かなりハメを外したシロモノになりましたが今までの18禁よりもかなり濃いのではないかと。
多分、というか絶対に他のプロジェクトではできないでしょうね。
ただ、それでも淫語は一切ナシという考えの下で書きましたが…。
妙に生々しい表現があるかもしれませんが作者の表現技法です。
体験は一切ないです。ないったらない。
それでは次回にて。