Are You Lady?

涼「なあ、綾」
綾「何ですか?」
涼「化粧の仕方、教えて」
静寂。
綾「…何する気ですか?」
涼「いやあ、実は忘年会で芸をやれって言われて、それで何人かが女装をするということになったんだ」
綾「そして、涼さんもその1人ですか?」
涼「そういう事。で、教えて」
綾「そう言われても………私かできるのはファンデーションと口紅くらいですよ」
涼「じゃあ、それでいいよ」



ぽむぽむとファンデーションのついたポンポンが顔にあたる。
綾「そんなにつけないほうがいいんです。むやみにつけると汚くなってしまうんです」
涼「へえ……で、口紅は?」
綾「いえ、もともと唇は赤いですから、薄い色のついたリップクリームでいいです」
きゅっとリップクリームで軽く塗る。
涼「カツラはもらってきたけど」
綾「それじゃ、カツラをつけて完成ですね」
ロングヘアーのカツラをかぶる。
これで完成……ん?
なぜか、綾は黙ったまま。
涼「どうした、綾?」
綾「…い、いえ……その………綺麗だなって…」
……そんなに綺麗か?俺。
鏡を見ると、
涼「これ………ほんとに俺か?」
綾はうなづく。
…ほんとに女みたいだな。
……ためしにこの格好で綾に迫ってみるか。
すっと綾に近付く。
綾「あっ………」
途端に綾は真っ赤になった。
涼「どうしたの、綾?」
綾「そ………その…」
涼「……まさか、女装した俺に惚れたとか?」
綾「……………………………はい」
やかんを頭の上で乗せたらピーッとなりそうなほど赤くなっていた。





そして忘年会終了。
綾「どうでした?」
涼「大荒れだったよ」
綾「大荒れ?」
涼「つまり……」




女装した俺が登場した途端、その場にいる全員の時が止まった。
ちなみに服装はショムニ風である。
涼「ど、どうした?」
その直後、
ギロッッ!!
殺意に近い視線が俺を貫く。
……女子か。
女子が殺意わかせるほど、俺の女装はすごいってことか。
だが、次の瞬間、
男「結婚してくれ〜!」
独身の男が迫ってきた。
涼「ふざけんな〜っ!」
右ストレート炸裂。
なぜに男にモテなきゃならんのだ。
とりあえず先程、自分の座っていた席に戻る。
すると、隣の女子が抱きついてきた。
涼「こ、今度は何だ!?」
女「お仕事中、その格好でいてください!こっちの方がいいです」
…………そっちの方好みの女子かい。




涼「………というわけ」
ふい〜、と溜息をついた。
綾「大変ですね……」
涼「ま、女装はこりごりだな」
綾「………たまに見たいです。涼さんの」
涼「………つまり……」




綾「涼子先輩……」
涼「大丈夫よ、あなたは何もしなくていいわ」
綾「先輩……あっ…」




涼「…ということかい?」
その解説を聞いて、綾はボンッという音が出そうなほど真っ赤になった。
後書き
なんか、わけわからんものに(笑)。
女装させるとどうなるかと、面白そうなネタができあがりました。
ただ、別の方向へ走りそうでしたが(苦笑)。
今回初めて涼の仕事仲間が登場しましたが、多分、今後は出ないと思います。
まあ俗にいう一発キャラってやつです。
それでは次回にて。