綾と涼 前編
そのすべてが愛しくて

初めに

さて、今回のは依然書いたとおり、18禁です。
本当の本当にやっていますからね。
……じゃ、やっちまうか。
と、言いたいところだけど、ちょっと心の準備が。
とりあえず前編・後編に分かれています。
前編は普段通り、というかそれでも結構すごみがあるような気がしてしょうがない。
作る前にも関わらず、予感があるということは本当にすごいかもしれない。
それじゃさっそく本編にいってみようと思います。
この続き、というか後書きは後編の方で。
なお、前編は涼を視点にしたのではなく、綾を視点にしています。


………………。
ここは……………?
私は目を開けると、見覚えのある景色が目に入った。
ここ……私の家?
私は起きようとした。
しかし、力が入らない。
おかしいな……どうして?
寝た状態で周りを見た。
誰もいない。
みんなは…どこ?
起き上がろうとしたけど、力がぜんぜん入らない。
綾「んっ…………くぅ………」
何とかがんばって上半身が起き上がった。
綾「はぁ……はぁ…」
起き上がるのはやっとだ。
一体……どうしたの…私の体…。
すると、誰かの足音が聞こえた。
誰……?
私の部屋で止まり、戸が開いた。
そこには、涼さんがいた。
涼さん…?
涼「……綾さん!?」
私を見て、すごく驚いていた。
どうして、そんなに…驚いているの?
そう考えている時、涼さんが私に抱き付いた。
えっ……りょ、涼さん!?
涼「良かった……綾さん……」
……………。
多分、私の顔、真っ赤になっているんだろう。
…でも、良かったって……どういうこと?
でも…この状態、ちょっと恥ずかしいな…。
綾「あ、あの、涼さん…ちょっと…離してくれませんか?」
涼「あ…ご、ごめん」
すぐに涼さんは私から離れた。
涼さんも顔を真っ赤にしている。
くすっ、涼さんらしいな。
でもちょっとこの性格は問題はあるけど。
でも……そんなところが好き…。
あとは…良かったって……どういうことかな?
綾「あの…涼さん、一体…何があったんですか?」



涼さんから聞くと、私は交通事故にあい、意識を失った。
そして、何日かして、何とか完治したが、意識はまだなく、植物人間に近い状態だった。
そして私の家で療静することになり、だいたい1ヵ月たった今、こうして私は目覚めたそうだ。



綾「それじゃ…何日も寝ていたんですか…」
涼「うん」
私がトイレに行こうとしたとき、
涼「目が覚めたからってまだ動いちゃ駄目だよ、ずっと眠っていたんだから。というより、動けないだろうけど」
綾「とっ…トイレに…行きたいんですけど…」
涼「あっ、そうか」
そういって涼さんは布団の横をゴソゴソしていた。
涼「はい」
そういって、涼さんはし瓶を差し出した。
えっ………、そ…それで…するの?
綾「こ…これはちょっと…」
さすがに…抵抗が…。
涼「でも、まだ立ち上がる体力ないから、これで我慢するしかないと思うけど…」
涼さん……素で言っている。
今まで涼さんを見ているけど、こういう状態、なんとかしてほしいな…。
でも、それでするくらいなら……。
綾「や…やっぱりトイレまで行きます」
涼「ちょ、ちょっと綾さん、大丈夫?」
再び起き上がろうとした。
綾「んっ………くぅ……ん…」
なんとか上半身を起こせた。
あとは立てば……。
綾「んん……っ……くぅ…」
あと少しで立てそうな時、
急に肘が曲がった。
綾「きゃっ」
布団に当たるかと思ったら。涼さんが抱きとめてくれた。
……また…さっきと同じ状態…。
他に誰も見ていないんだろうけど……やっぱり…恥ずかしいな。
涼「綾さん…」
綾「それ……貸してくれませんか?」
恥ずかしいけど……それしかないか…。
でも、涼さんに見られるのは……。
綾「自分で…しますから……」
すると、涼さんは立ち上がって、
涼「うん、わかった。それじゃ俺はおかゆ作るから」
私の部屋から出て、戸を閉めかけて、
涼「それと、見られたくなかったら、シーツでもかけてよ。俺はそんなに見ないから。すぐに戻るよ」
涼さんは戸を閉じた。
涼さん……ちゃんとわかってくれているんだ。
1ヵ月間………。
1ヵ月もの間私はずっと意識のないまま寝たきりで、涼さんの世話になっていたんだ……。
大学にも行かずに……。
少し体を見てみると、とても1ヵ月も寝ていたとは思えないほどきれいになっている。
毎日毎日、体を拭いてシーツを換えて…。
…………もちろん…、下の世話もして……。
それがどれだけ大変な苦労だったか想像もつかないけど…。


涼「熱いから、気をつけて」
私は涼さんに食べさせてもらっていた。
ちょっと…照れくさいな…。
私………こんなに迷惑をかけて…どうやって恩を返せば…。
綾「…涼さん」
涼「うん?」
綾「私……あなたに大変な迷惑をかけて…どう恩を返したらいいのか…」
自分がこんなにもちっぽけなものだなんて……。
涙がにじみ、流れ落ちそうだった。
涼「綾さん……」
涼さんは私の涙をぬぐってくれた。
涼「俺は全然迷惑なんて思ってないよ…むしろこうやって、世話を焼けるのが嬉しいくらいだよ」
そういって涼さんはおかゆを食べさせてくれた。
涼「もともと綾さんはなんでも自分でできるし、一人で片付けて、他人の助けをあまり必要としない人だからね、良く言えば自立している。悪く言えば可愛げがないというのかな」
綾「でも…その…、汚れ物の後始末まで毎日させて………」
自分で言ってて恥ずかしくなっちゃった………。
涼「そんなの、病人だったんだからしょうがないさ。それに、俺」
それに?
涼「綾さんのものなんか何だって別に汚いとは思わないよ」
綾「…………」
すごい殺し文句……。
しかも自覚なし………。


涼「もうお腹いっぱい?」
綾「え、ええ」
というより、お腹より胸が……。
ドキドキしてそれどころじゃ………。
涼さんは食器を片付けていると、
涼「さっきの恩返しのことだけど…」
綾「ええ」
何か…恩返しできることがあったのかな?
涼「恩返ししてくれるって言うなら、してほしいことはあるよ」
綾「なんですか?私にできることだったら…」
涼「というより綾さんにしかできないことだよ」
え?
涼さんは食器を持って部屋を出ながら、
涼「もう二度と…俺を一人にしないでほしい…」
涼さんは赤くなって、頬を掻きながら言った。
涼さん…………。
私は起きた時の事を思い出した。
そうだ……1ヵ月もの間涼さんは1人っきりで……。
ごめんなさい……涼さん……。
綾「はい、わかりました」
涼さんが部屋から出ていくと、自然に涙がこぼれた。
私はこの時ほど、こう思ったことはなかった。
あなたを好きでいてよかった、と。


中書き

何だこの中書きってのは(笑)。
変なもん作るんじゃないな。
さてと、一応前編の後書きみたいなところですが。
18禁はどうした?という反応が来ると思いますので、ここでその答えを。
ぶっちゃけた話、いきなり書けるか。(笑)
前本番ということで、綾の起き上がる時の声を作りましたが、結構難しい。
「弱さ」と「辛さ」のあるセリフにしないと味がないので、たった3回しか使っていないが、それでも苦労した。
さらに、作者独断(笑)の「かわいさ」をプラスしたため、悩まされた。
「女の子」という部分を引き出そうとしましたが、70点くらいですか。
100点を出そうとすると、もっときわどいのができてしまうため、境目であるこのぐらいにしました。
さて、これからが本番と、言いたいが、まだそういう声はもうちょっと勉強してきます。
ちなみに、起き上がる時の声は、ちゃんと(笑)勉強してありました。
そういう声のアテはありましたので。
何を使ったといいますと、金田一のアニメ版の雪夜叉伝説殺人事件の3話目の部分です。
なぜにそれを使ったかは、この事件の犯人の綾辻真里奈の声が山崎和佳奈さんなわけで、もちろんビデオに収めました。
さて、後半にいくわけですが、果たしてうまい具合にいくかどうか。
ある意味無謀かもしれませんが、できるかぎりやってみます。