綾と涼 中編
天秤

初めに・中編Ver(笑)

後編じゃないの?というツッコミが来そうですが………………ごめんなさい、中編ができてしまいました。
やっている最中におもしろいのができてしまって、こういう結果をもたらしました。
こーやってズルズルとひっぱっていることは18禁ではないのでは?と思われるかもしれませんが、きっちりと『犯り』ますので(笑)、その辺は間違えないように。
早いですけど、本編ならぬ、中編をどうぞ。(笑)


涼「旅行……ですか?」
信「うむ、家族旅行のようなものじゃ」
涼「ああ、毎年恒例のような家族イベントですか」
信「そういう事じゃな」
涼「で、なぜ俺が呼ばれたんですか?」



綾さんの事故からだいたい1年ぐらい経った頃、俺はおじいさんに呼ばれた。
一応綾さんは完治したが、まだまだ不安だ。
そこで、俺の出番というわけだ。
俺は旅行の間、綾さんの看護兼、家の見張りをやることになった。



そして旅行当日。


1月7日。
信「それでは、行ってくるぞ」
涼「ええ、いってらっしゃい」
綾「おじいちゃん、いってらっしゃい」
あ、そうそう、言いたい事があったんだ。
涼「あの…おじいさん」
綾さんに聞かれないように耳打ちした。
信「ん、何じゃ?」
涼「いいんですか?綾さんと2人だけなんて……」
信「お前さんを信用しているから、以前にも言ったろう?」
涼「まあ…、確かに」
信「それにな…」
涼「…それに?」
信「初夜を迎えられるじゃろ」
一気に顔が赤くなった。
涼「な…何を言っているんですか。そんなことしませんよっ」
信「まあ、お前さんのことじゃからそんな事はないじゃろうけど」
涼「……………」
耳の先まで赤くなったのがわかる。
綾「何の、お話ですか?」
突如、綾さんが横槍を入れてきた。
涼「いっ、いえ、何でもありません」
あわてすぎて丁寧語になってしまった。
信「ほっほっほ、それじゃ行ってくるぞ」
涼・綾「いってらっしゃーい」
綾さん以外の綾さんの家族が出かけていった。
涼「……さてと、どうしようか」
綾「とりあえず、お茶でも飲みましょうか」
涼「うん、そうしようか」
とりあえず、家の中に入ることにした。
綾「それじゃ、お茶持ってきますね」
涼「うん、わかった」
綾さんが台所に向かった。
近くにあったカレンダーを見てみる。
あと2日か。
もうすでに準備もできているし、問題ないな。
少し暇なので、家の中を見回ることにした。
まだ完全には家の中を把握しきれていない。
覚えておいても損はないだろう。



少し見回って、だいたい把握できた。
居間の方に戻ることにした。
居間に戻る途中、部屋があった。
ちらっと見てみると、布団が敷いてあった。
多分ここが寝床か。
しかし、よく見ると、とんでもないことに気付いた。
布団は布団だが、1つしかなかった。
そして、枕は2つだった。
………ちょっと待て、一緒に寝ろってことか!?
瞬時に顔が赤くなる。
そこまでして……その…初夜をやってほしいのか!?
綾「どうかしましたか?」
綾さんがこっちにきた。
綾「居間にいなかったので、どこにいたのかと…………」
綾さんもこれを見てしまった。
綾さんも理解したらしく、顔を赤くした。
そして、俺と綾さんの目が合った。
そしてみるみるうちに綾さんの顔はさらに真っ赤になった。
多分、俺もね。
涼「……………」
綾「……………」
無言が続く。
そして、沈黙を破ったのは綾さんだった。
綾「あっ、あの……お茶、できたんですけど…………」
涼「あっ、ああ、そ…それじゃ行こうか」
綾「は…はい…………」
とりあえず、お茶を飲んだあと、押入れを調べたが、一切布団はなかった。
………徹底している。
ふと、押入れの所にメモ用紙があった。
涼「何だろ……」
メモ用紙を拾ってみる。
メモ用紙にはこう書かれてあった。

『押入れを探すほど暇なら、庭に水でもあげてやってくれ』

涼「用意周到だな……」
こりゃ完敗だ。
確かに、今は暇だし、水でもまくか。



……とはいえ、水をまく、というよりは水を配る感じだな。
庭がでかすぎる。
庭には一か所しか水道場がないため、じょうろでまいて、水を補充しての繰り返しだ。
涼「…結構、重労働だな」
かなりの距離を歩いたはずだ。
ふと、空を見上げると、すっかり赤色を通り越して漆黒になっていた。
冬場は暗くなりやすいからな。
なんとか、一通りまいたな。
戻ることにしよう。


今に戻ると、綾さんの姿はなかった。
時計を見てみる。
6時半。
どこにいったんだろう。



とりあえず台所に行った。
そこに綾さんはいた。
エプロン姿で。
涼「……………………」
いかんいかん、思わずみとれてしまった。
そういえばエプロン姿を見るのも初めてだな。
ピンク色のエプロンに身を包む綾さん。
裸にエプロンは男のロマンだって聞いたことがあるが、わからんでもない。
綾「…………あっ、涼さん。いたんですか」
綾さんがこちらに振り向く。
うっ、かわいい。
正面からのもいいが、振り向く動きの方がかわいいかな……。
そんなことを考えていると、
綾「……どうかしましたか?」
思わずどきっとした。
心の中を読まれた感じだ。
涼「う、ううん、なんでもないよ」
綾「そうですか、もう少しで晩御飯できますから、居間で待っていてくださいね」
涼「うん、わかった」
今に移動しながら、考えた。
晩御飯か……、そういえば綾さんの手料理食べるの初めてだな。
うーん、まるで新婚家庭みたいだな。
ん……?新婚家庭みたい=というか新婚家庭=……初夜。
……いかんな、おじいさんのせいで変なの考えちゃったよ。


しばらくすると、綾さんが晩御飯を持ってきてくれた。
なお、晩御飯の内容は御飯、クリームシチュー、コンビネーションサラダ、株の漬物。
涼「それじゃ、いただきます」
綾「ええ、どうぞ」
とりあえずクリームシチューを口に運んだ。
心配そうに綾さんが見ている。
………うまい。
お世辞抜きにうまい。
こんなにうまいもの、綾さんが……。
くーっ、綾さんの手料理が食えるなんて俺は幸せもんだな。
綾「どう…ですか?」
涼「うん、おいしいよ」
綾「本当ですか」
綾さんの顔がみるみるうちに笑顔に変わっていく。
涼「本当だって。こんなおいしいシチュー食べたの初めてだよ」
綾「よかった……」



そして、午後10時。
そろそろ寝る時間だ。
だけど………………ね。
布団は相変わらずの1つの布団と2つの枕だった。
この寒さじゃソファで寝るわけにもいかないし………、結局はこれで寝ることになるのか。
先ほど入った風呂で暖まった体が冷えると困るし、先に布団に入るか。
俺はとりあえず布団に入った。



しばらくすると、綾さんが来た。
綾さんの姿は、依然見た藍色のパジャマだった。
月の光によって綾さんの姿は神秘的だった。
綾さんも布団に入る。
お互いに見つめあった。
もちろん、赤くなって。
…………………………………………寝れねえ。
というか、綾さんが添い寝(綾さんから見れば俺が添い寝をしているが)しているからだろうな。
涼「あれから……3年か」
綾「えっ?」
ふと、初めて綾さんに出会った頃を思い出した。
涼「綾さんと初めて…会ってから、3年経っていたんだ」
綾「早いですね……」
涼「俺……綾さんに初めて出会った時から…ずっと………」
綾「覚えています?あの時の事…」
涼「あの時?」
綾「はい、夏季講習に誘った日の事……」
涼「うん、覚えているよ。綾さんが日射病で倒れたんだったね」
綾「多分私は…あの時に……………」
お互い、自分の気持ちを出し合った。
しばらくすると、綾さんは眠りについていた。
こんな間近に綾さんがいる。
彩さんの寝顔はたまらなく、理性がなくなるのを促進していた。
駄目だ、我慢できない。
綾さん…俺は……。
俺は綾さんの上に乗りかかろうとした。
理性を物に例えると、納豆の糸のように、どんどんなくなりそうな時。
綾「……涼…さん………………大好き…」
瞬時に理性が戻った。
……そうだよな、もし綾さんが起きていたら『やめて』と言うだろう。
俺は綾さんの嫌がる事はしたくない。
時計を見ると、12時11分を指していた。
………あと、23時間49分…か。