チャイルドパニック 中編

涼「ふー、今日の分終了と」
同僚「お疲れ」
涼「さあてと、我が家に帰るとしますか」
同僚「いいよなあ、如月はいい嫁さんがいて」
涼「そりゃあ、うちの嫁さんは日本一の美女だからな」
同僚「そこまで言うかよ………」
涼「もちのロンだ」
すると、ととと、という音がした。
子供の足音だ。
涼「ん?誰か子供連れてきた?」
同僚「俺は独身だし、親戚に子供はいないが」
周りにも聞いてみた。
が、反応無し。
しかし、音は間違いなく誰もが聞いた。
じゃあ、誰の子供だろう。
ひょい、とドアから出てきた。
そこにいたのは、
綾!?
涼「えっ!!??」
すっとんきょうな声が出た。
同僚「なんだよ、お前の娘さんか………っておい、聞いてないぞ!?」
そりゃ、いるわけないから聞いているわけがない。
現に、今いるのは俺の嫁さんだ。
涼「ちょっ、ちょっと!」
猛ダッシュで綾を抱き上げ、トイレへと向かった。

涼「綾、一体どうやってここへ………」
この会社はわりとセキュリティーが高く、特に子供は簡単には通れないようになっている。
綾「えっとですね、入口の人にきいたら入れてくれました」
………とても言っただけでは入れそうにないのに。
…………言った内容か。
涼「なんて言ったの?」
綾「えっとですね」

綾「あの………」
警備員「お嬢ちゃん、ここの会社に用があるのかい?」
綾「はい」
警備員「でも、ここは子供が入るところじゃないんだ」
綾「ここではたらいている人に会いたいんです」
警備員「………ということはここで働いている人の娘さんかい?」
綾「はい」
警備員「じゃあ、君のお父さんの名前は?」
綾「きさらぎ りょう」

……………。
すっと綾の両こめかみに握り拳を当てる。
そして、
ぐりぐりぐりぐりぐり……
綾「ふえ〜ん、いたいよ〜」
涼「遊びで来ちゃいけません」
綾「だって…………」
綾がしょぼんとする。
…………うっ、かわいい。
小さい綾もかわいいな………。
涼「……なんで、ここに来たんだ?」
綾「さびしかったから」
………そうですか。
再びぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
綾「ふえ〜ん」
まったく………。
肉体的にも精神的にも幼くなったようだ。

同僚「こらこら、子供をいじめちゃだめだろう」
あの、この子俺の嫁さんなんすけど。
とは言えねえし。
別の同僚「おっ、かわいいねえ。俺のお嫁さんになんない?」
涼「くぉらっ」
同僚を一蹴。
人の嫁さんをナンパするな。
同僚「うぐおっ、俺まで蹴るんかい」
涼「たりめーだ。この子は俺以外とは付き合わせん」
それを聞いた一同は、
同僚全員「えっ………………」
ひいていた。
…………俺のイメージが狂っちまう。

後書き

ceres氏に『変わりましたね、あんた…』って言われそうだな(笑)。
またロリ疑惑復帰!?って事に(苦笑)。
まあ次回はそれが確定することになるのですが。
それでは超問題作(笑)の次回にて。