チャイルドパニック6

じーっとあの指輪を見る。
綾「どうしたんです?」
涼「んー…………この指輪、薬指以外だったらどうなるかなと」
綾「つければ、若返るんじゃないんですか?」
涼「いや、どうも違うみたいだ」
綾「え?」
涼「実はつけた場所が違うんだ。しようとした時は薬指に結婚指輪をつけていたから、外れる可能性があると思って中指につけた。そうしたら最初につけた時よりも子猫っぽくなっていたんだ」
綾「そうだったんですか?」
涼「…………気付いてなかった?した時、妙にみゃーみゃー泣いてたからあれっ、と思ったんだけど」
綾「……………気付きませんでした」
ま、そんなもんです。
涼「じゃ、小指に」
すっ、と指輪をはめた。
ぼわんっ
綾「きゃっ」
涼「俺の勘が正しければ今までにない若返りができると思うんだけど……」
煙が止む。
涼「特に変化…………………………ありましたな」
以前のように子供になっているが、さらに変化があったのは綾の頭部。
ぴょこん、とかわいい耳。
涼「………猫耳、というやつかな」
綾「え?」
綾が話すと、ぴこっと耳が動く。
涼「おお、すごいギミックだな」
綾「そ、そうなんですか?」
話すたんびにぴこぴこっと動く。
涼「…………………かわいい、飼いたい…」
しかし、よく見ると変化はそれだけではなかった。
綾の後ろにひょこひょことはねている物体が。
涼「………もしや…」
綾の後ろに回る。
動いていた物体は尻尾。
無論、その根元は綾のお尻の辺り。
涼「……小指にはめると猫耳と尻尾が生えるという寸法か」
綾「え?………あっ!」
ようやく綾も尻尾に気付いたようだ。
涼「ま、さらにかわいくなったというのが結論だな」
ひょいと綾を抱き上げて、ぽふっと膝に乗せる。
ふわふわと頭を撫でる。
猫耳の毛並みが気持ちいい。
こしょこしょと猫耳をいじる。
綾「ふみゅ…っ……」
一応本物の耳なのでくすぐったいようだ。
綾「や…やめてください………」
涼「…………この尻尾はそうは思ってないみたいだけど」
綾「え?」
たふたふと尻尾が俺の足に当たる。
ふるふると動いている。
かなり機嫌がいいようだ。
涼「ま、尻尾は正直でよろしい」
綾「みゅ……」
涼「んー、中指は子猫っぽく、薬指はナチュラルに子供、そして小指は猫耳と尻尾か。残りの人差し指と親指をどうなるかな………とつけたいところだけど」
綾「みゅ……?」
涼「治さないと、ね」
無論、コレを治すにはお決まりの方法。
しかし、心拍数は平常の状態でつけた。
だが、それでもある程度は楽しめる。
そのちょっとの時間を、楽しもう。
小さな小さな体をきゅっ、と優しく抱いた。

後書き

さて、チャイルドパニックシリーズもちょっと新展開といったところでしょうか。
残りの2本の指の効果は………さて(笑)。
あんまり急いでもしゃあないですし、じっくりやっていこうと思います。
それでは次回にて。