涼「…………」
綾「………みー」

チャイルドパニック8

………さてと、どこから説明しようか。
まあ何で綾が『みー』と言うのかは後にしとこう。
こういう事になったいきさつを説明しよう。
…………と、言っても『あの指輪』で説明がつくんだけど。
以前あったように指輪をはめる指を変える事によって変わり方も違ってくるわけだ。
今までの事をまとめてみると、

薬指 ただ単に幼児化。(ただ単にと言っても子供になる時点ですごいのだが)
中指 幼児化+子猫のようなかわいい鳴き声がたまに出る。(正確には特定の状況時のみ発せられる)
小指 幼児化+猫娘化。(中指の効果に猫耳と尻尾が生える。ちなみに本物の猫同様に動く)

という事になる。
残る指は人差し指と親指だ。
残りの謎を解明すべく、人差し指に指輪をはめた。
結果は幼児化と、予想がつくのだろうが、追加効果が問題だ。
幼児化以外にどんな効果が現れるか。
そして追加効果はうさ耳だった。
…………いや、ほんとなんだって。
一昔前にキャバクラとかにいたあのバニーの耳が付いたのだ。
無論、猫耳と同様に動く。
そして追加効果が付くというのは予想できたのだが、予想外の効果があった。
それがこれである。

綾「………みー…」

鳴き声である。
…………うさぎが『みー』と鳴くかは疑問だが。
つーかうさぎに鳴き声あんのかどうかも疑問だ。
『みー』はどちらかというと猫じゃねえのかとも思われるのだが。
この『みー』だけしかしゃべれないようだ。
無論、『みー』で感情を出せれる。
例えば頭をなでると、
綾「みー……」
恥ずかしがってるけども嬉しい感じの『みー』が出る。
……どんな感じなのかは想像にまかせる。

ま、そんなわけで……。
涼「よしよし………」
綾「みー…」
頭を撫でる。
これはこれで非常にかわいい。
うさぎならではの良さと言ったところだ。
涼「…ねえ、うさぎの特徴って知ってる?」
綾「みー?」
涼「うさぎってさ、1匹だと寂しくて死んじゃうんだ」
綾「みー……」
こしょこしょとうさ耳をくすぐる。
綾「みぃ……」
涼「でも、さ。そんな事はない」
綾「…みー」
涼「ずっと『みー』しかしゃべれなくても俺は……とちょっと待て」
綾「みー?」
涼「元に戻るのをすっかり忘れてたな。かわいがりすぎたんで」
綾「み…」
涼「ふふ……」
再びこしょこしょと今度は本物の耳を。
綾「みぃ………」
ひょいと持ち上げ、あぐらをかいた所に乗せて、後ろからきゅっと抱く。
綾「み、みー……」
涼「しばらく、こうしたい」
綾「………みー」
こくりと綾がうなづく。
ま、うさぎになろうと綾は綾、ということで。

後書き

さて、指輪の謎がまたひとつ解けました。
残る親指はまたいつの日にか明らかにしましょう。
……気がつくともうこのシリーズも8作目となりました。
親指の謎もありますから9作目確定という事になります。
ま、気長にお待ちください。
それでは次回にて。