深い水の中で

クイッとウイスキーを飲む。
最近になってようやく慣れた。
あまり飲まないというのも問題なのだが。
飲み干し、今現在の自分の酔い具合を確認する。
まだ少々飲み足りない感じがした。
水をたし、ウイスキーを注ぐ。
ロックはまだ慣れてはいない。
カラカラとウイスキーと氷を混ぜ、一気に冷たくする。
冷たさの具合を確認するため、少し飲む。
まだぬるい。
再び混ぜていると、綾が来た。
涼「どうしたの、綾」
綾「いえ、ちょっと眠れなくて…」
今の時間は11時。
そろそろ眠気が来る時間だ。
眠気を出す方法………。
手に持っているウイスキーでピンときた。
涼「ああ、それだったら…飲む?」
綾「お酒…ですか?」
涼「うん。少しでも飲めば眠くなるから」
綾「じゃあ、ちょっとだけ」
先程と同様にグラスに氷を入れ、水を入れてウイスキーを注ぐ。
少し回して冷やす。
とん、と綾の前にグラスを置く。
涼「はい、どうぞ」
綾「じゃあ、いただきます」
綾は一気に飲み干した。
涼「ちょ、ちょっと待っ……」
遅かった。
一気に飲むと急性アルコール中毒になりやすい。
それにこのウイスキー、結構キツイやつだ。
綾「………」
涼「あ、綾?」
綾「…ええ、大丈夫です」
……大丈夫かな。
しゃべり方が妙に冷静だ。
……………とりあえず、寝かした方がいいな。
涼「まあ、多分これで眠気が出ると思うから、布団に入った方がいいよ」
綾「……はい」
……ものすごい冷静な声だ。
事務的な声だ。

とりあえず不安なので俺もついていくことにした。
布団に入る前にぶっ倒れたらさすがに困る。
まあ布団に入って気を失われるのも困るのだが。
すでにパジャマに着替えていたのでその辺も問題ない。
さて、綾がそのまま布団に入るとおもいきや、布団の前でゆらゆらと揺れている。
……完全に酔っ払ってんな。
しょうがない、手伝うか。
足の辺りを左手で持ち、右手を背中にまわす。
左手に力を入れ、持ち上げる。
それと同時に、重力を支える足がなくなり、背中が地面に落ちようとする。
が、すでに右手が準備されているので綾の背中は右手に乗っかる。
俗に言うお姫様だっこだ。
そのまま布団にゆっくりと下ろし、綾の背中を敷布団にそっと乗せる。
続けて足の方も。
そして、掛布団をかけようとした瞬間だった。
突如、綾が俺にキスをしてきた。
突然の出来事にドキッとした。
舌が入りこんできた。
今までとは逆の立場だ。
異常なくらい積極的だ。
……酒を飲んだからか。
他に考えられない。
だが、その積極性はモノマネと判断できた。
普段俺がやっているのと同じ手順だ。
……一石一朝じゃあな。
ぎこちなさがそれを表していた。
ただ、がんばろうというやる気は感じられる。
………ま、結局のところモノマネは本物には勝てないってことか。
では…と。

綾の耳をちょいちょいとつまむ。
耳に触れるたびにびくっと動く。
この行為はまだやっていない。
それゆえにかなり敏感だ。
酔っているというのもあるだろう。
が、綾は負けじと腕を俺の首に抱くようにまわす。
そしてそのまま濃厚なキス。
…俺の愛撫に負けないように抵抗してるのか。
……………くす。
なんともかわいらしく感じた。
まあ、その抵抗もできなくなるくらい、感じてもらうとしますか。

パジャマ越しに胸を揉む。
びくんと動いた。
酔っているため、直に触れるほどまで敏感になっているのだろう。
これだと脱がさずにそのまま絶頂を迎えさせられる。
とは言うものの、口がふさがっているため、手のみだ。
結構大変だなあ……。
ま、これも旦那の勤めってやつですか。
………泥酔するとなんでこうなるかは後で考えよう。

息が荒くなっている。
もうそろそろだ。
綾はすでに先程の勢いはなくなり、キスをしているのが精一杯だ。
先程まで下の方の辺りをいじるように愛撫していたが、今度は指を入れる。
途端、さらに息が荒くなった。
ゆっくり動かし、時には荒めに動かす。
それをある程度すると、綾は嬌声は出さなかったが、軽い痙攣をして俺にもたれた。
……ふう、終わったか。
…………綾にお酒を飲ますのは弱いやつにしよう。

翌日、
涼「ねえ、綾」
綾「はい」
涼「お酒を飲んだ後、覚えてる?」
綾「いえ、それが……飲んだ後の事、全然覚えていないんです」
涼「…………」
綾「何があったか、教えてくれますか?」

さて、どうしようか。
……………もし、言った場合……。

涼「…というわけだ」
綾「………」
思いっきり真っ赤になった。

というパターンになるだろうな。
……これは言わないでおこう。
……………でも言った時の綾の反応が気になるからな〜。
あ〜あ、どないしよ……。

後書き

またしても変なシロモノですいません(笑)。
久々に書いたのがこれじゃあなあ……。
しばらくは下ネタは自粛するとします。
それでは次回にて。