G or N?
前編

ピンポーン。
ドアのチャイムが鳴った。
涼「はい」
信「おう、涼か」
綾の母「こんにちは、涼君」
おじいさん、それに母さんまで。
涼「どうしたんですか?」
信「いやなに、少々暇じゃったから」
綾の母「いつもこちらに来ているでしょ?たまには私達がこちらに来て談話しようかと思ったの」
涼「ああ、そうですか」





信「綾は?」
涼「今は寝ていますよ」
綾の母「もう、あの子ったら」
涼「いいじゃないですか、綾もお疲れですし、それに綾は日向ぼっこが好きですし」
信「ふむ、で綾は今どこに」
涼「ああ、ここです」
そう言って、2人を居間へと連れていった。
綾「すー………」
涼「起こさないようにしてくださいよ」
ここ最近の趣味は綾の寝顔となっている。
幸せそうな顔がたまらなく好きだった。




涼「はい、お茶です」
俺はそう言ってお茶を二人に差し出し、俺も一口。
綾の母「さてと、どう?」
涼「どう、とおっしゃいますと?」
お茶をもう一口、
綾の母「夫婦のオツトメ」
涼「ぶっ」
口に含んだお茶を吹いた。
涼「すっ、ストレート過ぎですよ」
信「いや、交尾と言うよりはマシじゃろう?」
涼「思いっきり言ってんじゃないですか」
綾「ん……」
あ、起こしちゃったかな……。
綾「りょう……さ…ん……すー……」
ん、そうでもないか。
しかし、ここで起きてればどんな良かったか、この時は知るよしもなかった。




涼「たとえおじいさんと母さんでもそういうのは教えませんよ」
綾の母「あら、それじゃあ以前聞いたのは?(あなたを包んであげたい参照)」
涼「あれは一種の事故で…」
信「ほお、3回もやってかい」
涼「くっ……」
あかん、分が悪い。
なんとか打開策を………。
その時だった。




綾「ん…涼さ……そこ……や…」
艶っぽい声が出た。
…………まさか。
夢の中で俺とやってるんかい。
涼「げ」
あかん、大至急起こさないと。
綾を揺さぶって起こそうとしたが、
ガシッ(おじいさんに腕をつかむ)
ガシッ(母さんが腕をつかむ)
動けん―――――っ!
涼「な、何すんですか!?」
信「ふっふっふ、まさかこんなところで酒の肴に出会えるとはな」
綾の母「これでまた、ネタがひとつ増えましたね」
最後(何の?)まで聞こうとしてやがる―――――っ!
綾「んう………やっ……首…噛まないで………」
そんなのをお構いなしに夢の中で本番中(夢だから本番と言えるかどうかわからないが)の綾。
な、なんとかやめさせないと……あ、そうだ、大声で。
涼「綾っ!起きふぐっ」
バシッと口にガムテープをつけられた。
涼「ふごーっ!ふぎごっ!(綾―っ!起きろっ!)」
………全然ダメだ。
綾「あ、そこ……汚な……ふゃ……あ……」
くっ、まずは立たないと。
ダンッ(右足をおじいさんに踏まれる)
ダンッ(左足を母さんに踏まれる)
だ――っ!動けんっ!!
綾「あっ……ん……あぁ…あ……」
どうやら終わったようである。
信・綾の母「ふー」
めっちゃご満悦のお顔だ。
くっおおおおお。
まさか生本番(いや、生じゃないか)のを至近距離で聞かれるとは……。
信「じゃ、そういう事で」
綾の母「ごちそうさま」
二人が出ていく。
そして静寂。
ベリベリと口についたガムテープをはがす。
涼「はあ………」
マリアナ海溝よりも深い溜息をついた。
綾「んっ………」
綾が起きたようだ。
涼「やっと起きたか」
綾「あっ、涼さ……!」
突然、バッと下のほうをスカートの上から手で隠す。
涼「どうした?綾」
綾「い、いえ、あ…あの…」
なぜか焦っているようだ。
……さっきの夢の影響…?
















……………もしかして…。
涼「綾、ひょっとして濡」
綾「あーっ!言わないでください」
途中で綾の声で隠された。
綾は半ベソの状態だ。
綾「ぐすっ……ふぇっ…………ひっく…」
きっと俺にこんなはしたないのを見せられて悲しいのだろう。
綾の泣き顔を見てふつふつと怒りが込み上げてきた。
……おのれ、凶悪親子め。
くっそ〜、こうなったら後編に続けて、リベンジしたる。
後書き
というわけで毎回毎回信アンド綾母にいじめられている涼がついに次回反撃に出ます。
なんかここ最近綾に対してヒドイ事ばっかしているのでその罪ほろぼし代わり(笑)として、少しは綾を安堵させようと。
……………本当に最近ひどい扱いに少々胸を痛めています。
自分でやったくせに何ぬかしてやがると言われたらそれまでですけども。
少々反省(きっちり反省しろや、俺。笑)していますのでしばらくほのぼのしたものをやりたいと思っています。