G or N?
後編

コノウラミハラサデオクベキカ。
昔の人は偉大なもんだ。
こんなに今の俺にぴったりの言葉があるとは。




深夜0時を過ぎた。
綾の実家の門の前に俺は立っていた。
こうなったら、あの2人の弱みを握って、これ以上綾を泣かせんようにする!
さてと、とにもかくにも中に入らなくては。
…門は閉まっている。
まあ、当然だわな。
となると、塀をのぼ…………。
暗くて見えなかったが、何か線のようなものが…。
しかもその線には所々に棘が……。
………………有刺鉄線。
しかも、へんなものが付いてるし。
もしかして、触ったらパーンとか爆発するのか?
……電流爆破デスマッチ。
プロレスラーも真っ青だな。
となると、塀も無理………じゃあダメじゃん。
…………つまり、後編終了?














そういうわけにはいかない。
なんとしても2人に復讐をはらすまでは………。
門の上はどうだろうか。
俺は門のあたりにあるでっぱりに足を乗せて、上をのぞく。
…………駄目だ。
ここもきっちり鉄線かい。
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん…。
…あ、なにもここから行くのが無理なだけで、隣の家から飛び移れば鉄線もクソもない。
ようし、早速隣の家へ。





しかし、はたから見るとほとんど泥棒だな。
まあ、んなことはほっといて、と。
屋根に………よっと。
ふう………。
よ〜し、ここからだと塀の鉄線よりも上にある。
ここから飛び移れば……。
おおおおおりゃぁぁっ!!
よし、塀を越え………。
ドスッ。
痛ってー。
土が良かった……。
コンクリだったら捻挫は必死だな。
さてと……………。
中に入れたのはいいが、どうするか。
とりあえず、あの2人を起こさないように行動しないと。
とりあえず、廊下にっと…。




このまま廊下を歩いていると足音で起きそうだ。
こういう家ってのは天井が開く仕組みになっているはずだ。
よっ……と、ほら開いた。
中に………ほっ…と。
ここからならあっちこっちを移動できる。
さて…と、まずは母さんの寝室だな。
えーと…方角はと……………あ、こっちか。




だいたいここら辺りかな。
天井を………よっ…と。
お、いたいた…………。
……………やっぱり似ているな。
まあ、母親だし、綾に似ているのは当然か。
綾の母「ん………」
寝返りをうつ動きにドキッとした。
……………………………………と、いかんいかんいかんいかん。
一歩間違えると近親相姦だからな。
この小説はあくまでもほのぼの系だからな。
さてと、とりあえずはさらに深く眠ってもらうか。
極秘に入手したクロロホルムを布につけて…ほいっ。
パサッとうまい具合に母さんの顔にのっかる。
さてと、今のうちにおじいさんも眠らすか。







……ここの辺かな…。
よっ……………お、いたいた。
さて、布をほいっ。
ひらひら…………バシッ。
布が吹っ飛ぶ。
…あれ。
風でも吹いてのんかな。
もういっちょ、ほいっ。
ひらひら……バシッ。
違うな……風じゃない…。
もしかして、高速で布を叩き落としてんのか?
しかも寝ながら。
………バケモンか。
だったら、こうするか。
布にかなり多めにクロロホルムをつけ、再び布を落とす。
ひらひら……バシッびちゃっ。
よーし、はたいた時に余分な液が顔にかかった。
これでおじいさんもOKと。
……さ〜〜〜てと、恥ずかしいシロモノにしてやるか。
















ピンポーン
涼「はーい」
ドアを開けると、母さんが、もの凄い形相だった。
正確には、怒り7割、悲しみ3割といった具合。
綾の母「ちょっと涼君!どういうつもりですか!!」
涼「どう、とおっしゃいますと?」
綾の母「この写真よっ!」
ずんと写真2枚を突き立てる。
2枚の写真には、それぞれおじいさんと母さんが写っていた。
だが、内容がかなりのものだった。
おじいさんの寝顔ではあるが、顔に落書き、それもかなりえげつない。
この小説を漫画にするとモザイクになりそうなほどだ。
一方、母さんの方も想像を絶したシロモノだ。
ほぼ間違いなくスミもしくはメッシュが入りそうだ。
涼「さてと、写真がこのようにあるのだから、ネガもありますね」
綾の母「……」
母さんの顔は先ほどの顔より怒りが2割増しになった。
涼「取引、しましょうか」
綾の母「一体何の?」
涼「このネガを渡す代わりに、俺と綾の邪魔をしないということです」
綾の母「うっ……」
涼「これは警告です。もし、手を出すのなら、これを…ビルの屋上から大量にばらまきます」
綾の母「……ぐすっ……ふえ……っ……」
涼「泣いてもダメですよ」
綾の母「…くっ……ふぇぇ…っ…」
涼「………」
ま、やっぱり母さんも女の子、か。
俺は母さんを抱い………。
近親相姦と勘違いすんなよ。
さて、改めて抱く。
そしてぽんぽんと背中を叩く。
涼「よしよし…」
……母さんはどちらかというと綾よりも甘えんぼかもしれないな。







涼「と、いうわけで、反撃成功したわけだ」
綾「良かった………でも、お母さん達、かわいそうですね」
……。
綾らしいな、そういうとこ…。
きゅっと綾を抱く。
綾「あ……」
涼「綾らしいよ、ホント……自分が酷い目に会ったのに、許そうなんてさ……」
綾「…いけませんか…?」
綾の返答に、たまらず強く抱く。
涼「…それが、綾のいいところだ……ん?」
……何か違う…。
抱くのを止め、離す。
涼「…母さんだな」
綾「え?」
涼「抱いた時にすげえ違和感があった」
綾「……ちっ」
涼「やはり母さんか、それと……おじいさんもいるな」
信「くっ、ばれたか」
おじいさんが廊下から出てきた。
綾「さすがは旦那と言ったところね」
綾改め、母さんは長い髪の毛を束ねた。
涼「綾はどこだ!」
綾の母「大丈夫よ、隣で寝かせているわ」
涼「まったく………」
信「やれやれ、抱いている写真を撮って、禁断の恋とか名前をつけて脅そうと思ったが、どうやら失敗に終わったの」
綾の母「ふふ、さすがは涼君ね」
涼「さすがに、綾に化けるというのはびっくりしましたよ」
綾の母「そんなに似ていたの?」
涼「ええ、そのままやろうかと思ったくらいですよ」
母さんは真っ赤になった。
綾の母「やだもう……からかわないでくださいな」
そしておえじいさんは呆れ顔になり、
信「妻の母親まで口説く気か…」




信「……さてと、それじゃわしらは帰るとするか」
涼「お気をつけて」
2人は帰った。



俺は隣の部屋を覗いた。
綾は寝ていた。
……本当に綾か…な?
試してみるか。
トントンと綾を叩く。
綾「……んっ…………」
涼「綾」
綾がむくりと起きあがる。
綾「あっ…涼さ」
ふに。
綾の胸を触る。
…うん、やはりな。
母さんのは綾よりも大きかったからな…。
だから抱いた時に胸が当た
バシィィッ!!
綾「な、な、な、何をするんですか!」
あ、そうか。
綾はこのことを知らないんだった。


後書き

なんか変な終わり方になってもうた(笑)。
えーと、今回はボツネタのよせ鍋版といった感じです。
これは使えないな〜とか、これは…無理かなといったものが数多く、今現在まで封印してきました。
そして、今回で封印解除っというわけです。
………今回はちょっと問題作ですかね。
母親についてですが、作者の設定として、綾にかなり似ています。
普段は髪を束ねていますが、綾と同じようにストレートにすると、かなり似ています。
ただ唯一の違いは胸の大きさぐらいです。
母はぽよ、で綾はふに、といえばだいたい大きさがわかると思います(笑)。
次回はほのぼのしたものを作りたいと思います。
それではまた次回にて。