IF YOU WERE HERE
後編

目が覚めると、そこには綾さんがいた。
体勢から考えると、膝枕のようだった。
だが、寝ぼけているせいか、それよりも今の自分を把握するのが精一杯だった。
そして、ようやくある『ひとつ』の事に気付いた。
そっか……俺、結婚したんだ。



埋蔵金探しから帰ってきたら、すさまじい事が起きていた。
綾さんの家の向かえの所が建築をしていた。
涼「どうしたんですか、これ」
信「なあに、新築じゃよ。お前さんらの」
涼「えっ?」
綾「それじゃあ……」
信「さきほど、権田さんから電話をいただいての、まさか本当に埋蔵金を探すとは、お見事としかいいようがない」
涼「ということは…………」
信「うむ、綾を大事にしてやってほしい、わしの大切な孫娘じゃからな」
涼「でもこれ………いいんですか?」
そういって、俺は新築工事中の家を指差す。
さすがに、婚約祝いに新築とは…………。
綾の母「ふふ、別に遠慮しなくてもいいのよ。これは私達からの感謝の気持ちでもあるから」
涼「え…」
綾の母「あなたもご存知のとおり、最初は気弱な子でした。しかし、少しずつ、少しずつ勇気が持てて、あなたに本心を伝えることができたのは、まぎれもなく、あなたのおかげよ」
涼「綾さんのお母さん………」
綾の母「ううん、これからは『母さん』でいいわ」
う、そう言われても…………。
涼「はい、わかりました。『母さん』………」
なんかくすぐったい感じだった。



そんなわけで、結婚式をあげて、それから軽く昼寝をしていたんだ。
空は夕焼け。
多分5、6時ぐらいだろう。
涼「夢、見ていたよ」
綾「どんな夢ですか?」
涼「うん、1ヶ月前の埋蔵金で…………」



そして俺達は新築の家に住んでいる。
新築、というよりは綾さんの家を縮小コピーしたようなものだ。
涼「でもこんないい家まで……どうやって感謝すればいいんだろう………」
綾「ありますよ。一番いい方法が」
涼「どんなの?」
綾「私達が幸せに暮らす事ですよ」
涼「あ……そうか」
俺達が幸せに暮らせば、その分家も嬉しいと思っていてくれるだろう。



夕食を済まし、夜。
初夜。
お互い緊張のせいか、正座をしている。
布団(無論1つ)を軸に向かい合っている状態だ。
うーん、一度やったこととはいえ、あの時はそのままの流れでいっちゃったからなあ………。
まあ、ここは俺がリードしないと…。
正座を少し崩し、近づく。
びくっと綾さんが動く。
とりあえず逃げ出さないように、手を握る。
涼「うーん、まあ一度はあるんだし、そんなに緊張しなくてもいいよ……」
綾「い、いえ………違うんです」
涼「え…」
綾「本当に…私なんかでよかったんですか…………」
涼「…………」
綾「…私なんか、体は弱いし、スタイルもそんなに良くないし、胸も小さいし………………」
俺は何も言わずに、唇で綾さんの口をふさぐ。
口を離す。
涼「……でもね、俺はそんな人一倍優しい綾さんが大好きだよ…」
綾「涼さん………………」
再びキスをする。
綾さんの口内に舌を差し込む。
綾さんの体がびくっと動くが、綾さんはそれに合わせるように舌を舐めあう。
念入りに下の裏も舐め、口内を堪能する。
一旦唇を離し、今度は首筋にキスをする。
綾「んぅ………はっ…ぁ…」
さっきの舌舐めのためか、綾さんの表情に艶が出てきた。
パジャマ越しに胸を優しく揉む。
綾「んっ………あ……っ…」
胸を揉みつつ、パジャマを脱がす。
上着を脱ぎ下ろすと、うっすらと白く透き通った肌が出た。
そのままブラを外し、乳房があらわになる。
ピンク色の乳首を口に含む。
綾「んぁっ………ん………あぁ…ん……」
舌で優しく転がす。
綾「んっ……はぁ……や…ぁっ……」
そのまま舌で弄びつつ、パジャマのズボンを下ろす。
そして下着の中に手を入れる。
割れ目の部分をゆっくりとなぞる。
綾「あ…はあっ……ん…あん……っ」
ある程度愛撫を済まし、下着を下ろす。
涼「綾さん…ちょっと、よつんばいになって…俺にお尻を向ける様に…」
綾「こ……こうですか…………」
涼「うん………」
割れ目の部分に下を滑らせる。
綾「ん……ああっ…!……くっ…うんっ……や…あん………」
わざと音を立てる。
綾「やぁ……やめ……あ……んんっ……ふぁ…………ひっ……あっ…」
ピチャピチャと淫靡な音が部屋に響く。
綾「おねがっ………い、やめ……てぇ……あ……ああっ!」
さすがに、視姦と愛撫の同時はつらかったかな。
涼「ねえ、綾さん」
綾「は…………はい……」
涼「ちょっと、いいかな………」



綾「これを……ですか………」
綾さんの前にはそそりたつモノがあった。
涼「うーん、まあどうしてもというわけじゃないから、嫌だったらしなくてもいいよ…絶対にやってほしいっていうほどのものじゃな……?」
綾さんは優しくそれに触る。
涼「あ、綾さん」
最初はじっと見ていたが、恐る恐る口に含む。
涼「うっ………」
綾「あっ、い……痛かったですか……?」
涼「い、いや……気持ち良くてつい声が………」
綾「私で…………嬉しいです……」
綾さんは再び口に含む。
舌でそれを舐める。
時折ピチャピチャという音を立て、気持ち良さが増加する。
呼吸をしようと、口から離れると、つうっと糸を引くのがいやらしさを感じる。
ある程度の後、射精感を感じた。
涼「うっ、綾さん…もういいよ……」
だが、綾さんには聞こえていなかった。
涼「あ、綾さん…ちょっと待っ……うっ」
さすがにこらえきれず、綾さんの口内に放つ。
綾さんは口内に放たれたことで俺が射精したことに気付いた。
まずい……出してしまった。
こりゃ綾さんに怒られるかなと思った時、妙な音がした。
飲み込む音だ。
まさか……飲んでいる!?
涼「ちょ、ちょっと綾さん!?」
綾「え………んっ」
いまの『んっ』で全部飲み干したようだった。
涼「の……飲んじゃったの?」
綾「え……飲んでは駄目だったんですか………?」
いや、駄目なのかどうかはわからないけど………。
綾「だって……涼さんのですし………それにせっかく涼さんが気持ちいいからと………」
涼「綾さん………」
たまらず綾さんを抱く。
そんなにまで俺を………。



再びよつんばいにして、そろそろ挿入しようとした。
涼「綾さん……入れるよ」
綾「えっ………」
途端、綾さんがびくっと震える。
ああ、多分最初のが脳裏に現れたんだろう。
あんなに痛がったからなあ………。
涼「大丈夫だよ、もう痛くはないから」
綾「は、はい………」
ゆっくりと挿入する。
綾「あっ……あ……あぁーっ」
涼「だ、大丈夫!?」
綾「い、いえ、痛くは…ありません」
涼「本当に?」
綾「ええ……ですけど…何か……その…………」
多分、だけど気持ちよかったのだろう。
涼「じゃあ…動かすよ」
ゆっくりと動かし始める。
綾「んっ……あ……は…あっ…」
以前のような痛々しいのはあまり感じられなかった。
綾「ひっ…んっ……ああっ………いっ……あっ…んん…」
少しずつ動きを早くする。
綾「あっ……あ…ふう…っ………はあ……んぅっ……」
少し声が高くなっているような感じがした。
一旦、綾さんを仰向けにして、ひょいと抱き上げる。
そして再び挿入。
騎乗位だ。
綾「ふあ…っ…あっ……ああーっ……」
さっきよりもかなり高い声だ。
さすがにびっくりした。
涼「ど、どうしたの?」
綾「な……なにか……すご…く…深くなって………変に…なりそうっ…」
想像以上に綾さんは敏感なようだ。
涼「まあ……この家には綾さんと俺たけだし……思い切り、声…出していいよ」
綾「は…はい……」
もはや返事もしづらい様だった。
綾「あの……捕まっても……いいですか…?」
涼「うん…」
綾さんの腕を首にまわして、首を軸に腕組みしたような状態にする。
再び動かす。
綾「ん…はあっ………ふ…あっ……や…あんっ……あぁっ……」
そろそろ射精感が強くなってきた。
綾さんを激しくゆさぶる。
綾「あ…ああっ……ひ…あふぅっ……は…あっ……」
そろそろ限界だ。
綾「んあっ……わた…し………もうっ……ああっ…!」
一気に綾さんの中に放出する。
綾「…は…っ………あぁーっ…!」
歓喜とも苦痛ともとれそうな声を出し、そのまま俺によたれる。
俺も綾さんを抱き締め、しばらく余韻にひたった。



綾「あの……涼さん…」
涼「ん……?」
事の後、しばらく話した。
綾「夫婦にもなりましたし…その……呼び方…変えませんか?」
涼「……やっぱり…変えたほうがいいかな?俺も『綾さん』じゃなんかよそよそしいし…」
綾「それじゃあ……『綾』って……呼んでください……」
涼「…綾さん…………あっ」
綾「もう……」
涼「ふふっ、ごめん……『綾』」
綾「はい……涼さん」
涼「…………うーん」
綾「…どうかしましたか?」
涼「……ねえ、綾さ…じゃなかった。…綾、『あなた』って呼んでくれない?」
綾「えっ?」
涼「なんか、こう……ね、『涼さん』はなんかよそよそしいし、『涼』って呼び捨てだとなんかしっくりこないし…、やっぱり『あなた』かな…って」
綾「……そう呼ばれた方がいいんですか?」
涼「できれば、だけどね」
綾「それじゃあ……『あなた』で呼びます」
涼「…いいの?」
綾「私にとって涼さんは特別なもの……あっ」
涼「ほら、綾さんだって………あ」
綾「涼さんだって……ふふっ…」



涼「…そろそろ寝ようか」
綾「ええ…」
涼「おやすみ……綾」
綾「おやすみなさい…あなた」
そうして初夜は静かにふけていった。




後書き

綾「背中、流してあげますね(と言いつつ、背中を洗う。なお、服装はバスタオル一枚のみ)」
涼「ん、ああ(無論こちらも腰についているタオル一枚のみ)」
綾「どうですか?(背中を洗いつつ)」
涼「うん、いいよ(前の方にタオルを持っていく。さすがに恥ずかしいらしい)」
綾「………(ぴたりと背中を洗う手が止まる)」
涼「ど、どうしたの?綾さん(それに気付く)」
綾「涼さんの背中…こんなに暖かったんですね……(背中に見惚れて、背中に寄り添う)」
涼「………っ!(背中越しに当たる胸の感触にどきりとする)」
綾「…………(しばらく背中の感触を堪能)」
涼「………(もしかすると結婚式の時に飲んだ酒の影響ではないかと確信するが、状況が状況なだけに、動きようがない)」



えー、最後の暴挙(笑)。
なんだよこれっていうツッコミもあるでしょうが、その辺はご勘弁。
『綾』を始めて、どのぐらい経ったのでしょう。
これの原版を書いている時で1年半以上だと思います。
ただ、当時はこれで『綾』も終わりかと思ってたんですけれども、まだ続いています。
本音を言いますと、終わらせたくないんです。
こんなに素敵な女性をこれっぽっちの小説の数だけでは彼女の魅力がまだ出ていません。(作者の文章作成能力にも問題ありますね。ごめんなさい)
よって、続けることになりました。
ただ、他にも小説を書いていますし、おろそかになりがちです。
で・す・け・れ・ど・もっ、愛情は変わっちゃいません。
ただロリっぽくなっちゃっていますが(苦笑)。
それでは次回作にて。