電話で葵と話してた。
涼「初詣、か」
葵「つーわけで俺は和佳奈さんと行くんだけども、お前はどうする?」
涼「う〜〜〜〜ん……………」
そりゃあ…行きたいけど、俺がなんかむなしいからな……。
綾さんと一緒に行ければいいんだけど……。
葵「じゃあ、誘えばいいじゃん」
涼「まあ、そりゃそ………ってお前なんで俺の思考を!?」
葵「思いっきり口に出てたが」
ありゃ。
涼「………綾さん…いいですよって返事こないかなあ……」
葵「大丈夫だよ、だってお前と…おっと」
涼「おっとって、なんだよ」
葵「いや、なんでもない」
……………?
涼「…まあいいや、綾さんが行かない場合は俺もいかないから」
葵「えー、なんでだよ」
涼「………お前と和佳奈さんのいちゃつきを見たくない」
葵「……お前も早く綾さんとうまくやれよ、それじゃ」
涼「ああ、じゃあな」
電話を切った。
…………日頃の行いに賭けてみるか。
再びを受話器を取った。
そして新年を迎えた。
葵「良かったな〜、願いがかなって」
涼「やっぱ日頃の行いが良かったんだな」
綾「何のお話ですか?」
涼「あ、いや。こっちの話」
綾「………?」
和「それじゃ、初詣に行きましょうか」
賽銭箱に10円を入れ、拝む。
……さて、何を拝むか。
うーん、大学合格は問題無いから………やっぱり綾さんだな。
よし……綾さんと付き合えますように……………………っと。
拝むのをやめて、隣にいる綾さんを見る。
まだ拝んでいる。
一体何のお願いをしてるんだろ。
綾さんも拝むのをやめた。
で、葵と和佳奈さんは…うお。
かなり必死だ。
一体何をお願いしてるんだろ。
葵『絶っっっっ対に大学合格できますように……………』
和『何が何でも葵君が大学合格になってもお医者さんごっこを忘れていますように…………』
お参りも済んだし、後は帰宅だ。
葵「あ、俺らはここで」
和「涼君、綾ちゃん、さようなら」
涼「うん、さよなら」
綾「さようなら、葵さん、和佳奈ちゃん」
綾さんと帰る時だった。
そういえば、綾さんは何をお願いしてたんだろ。
涼「ねえ、綾さんは何をお願いしたの?」
綾「えっ?」
綾さんは赤くなったが、赤くなりつつ笑顔で、
綾「秘密です」
…………一体、何をお願いしたんだろ。
その願いは1ヶ月後と2週間ほどした時に明らかになることを、俺はまだ知らない。