like will

葵「なあ、綾さんとは済んだのか?」
涼「済んだって…………何をだよ」
葵「キス」
涼「…………言わにゃあかんのか」
葵「そういう反応は、したって事だな」
涼「ちょい待て。喫茶店の中でした事話さなあかんのか」
葵「大丈夫だって。誰もいねえし」
くるりと見まわすが、客は俺達だけである。
マスターもトイレに行っているらしく、いない。
涼「うまいタイミングだな」
葵「事実は小説よりも奇なりだ」
涼「で、キスか…………した」
葵「おー、やっぱりしたんじゃん」
涼「ちょっとしたきっかけでな」
葵「んだよ、きっかけって」
涼「それは話さん。で、お前の方は?」
葵「…………………してない……っつーか、しようとすると妨害される」
葵がぷは〜と溜息をついた。
涼「妨害?」
葵「メイドの喜久子さんの暗躍だ」
暗躍って……おいおい。
涼「……って事は電話の件も?」
葵「ああ、それも喜久子さんの仕業だ」
涼「…………天下無敵のメイドさんだな」
葵「まあ、俺がなんとかせんと、何も進まないからな」
涼「おっ、かっこいい事言うなあ」
葵「まあ、和佳奈さんは男を知らないから、結構大胆な服装してくるんだよ」
大胆………と言いますと?
涼「大胆?」
葵「ああ、半ズボンだ」
半ズボン?
涼「そんなんで大胆って言うのか?」
葵「……………お前は半ズボンの恐ろしさを何も知らないんだな」
涼「恐ろしさって……おいおい」

半ズボン……………ねえ。
ふーむ、じゃあ一丁綾さんに半ズボンの格好をしてもらうとしますか。

涼「ねえ、綾さん」
綾「はい?」
涼「ちょっと、試しに明日にでも半ズボン、履いてくれない?」
綾「半ズボン、ですか?」
涼「うん、まあ嫌ならいいけども」
綾「いえ、涼さんがどうしてもと言うなら履きますよ」
………俺のためにか。嬉しいなあ〜。

で、翌日。
綾「ど、どうですか?」
涼「…………………………………………………………………がはっ」
げぼっと血を吐いた。
綾「だ、大丈夫ですか!?」
………こ、この半ズボン……………強力すぎる。

後書き

このlike willは綾の『LOVE WILL…』と同じタイプではなく似ているタイプです。
LWの方は親と子のパターンでしたが、このlwは公式カップリング以外のパターンになっています。
つまり、涼×綾と葵×和以外のパターンです。
今回は涼と葵になっていますが、次回は別のパターンになっています。
喜久子さんとのカラミもあるのでLWシリーズよりも多くなります。
ざっと見て8通り程あるのでじっくりやっていこうと思います。
内容はほのぼのもあればシリアスもあり、といった具合です。
それでは次回にて。