like will 6

喜「あら、綾さん。こんばんは」
綾「喜久子さん。こんばんは」
喜「今日は涼君と一緒じゃないの?」
綾「そ……それは………その……」
綾が顔を赤くした。
喜「?」
綾「…実は涼さんが私の家にしばらく居候しているんです」
喜「居候?」
綾「少し前に、私が事故に遭った事は知っていますね?」
喜「ええ」
綾「その時、涼さんがずっと私を看病してくれたんです」
喜「………」
以前、涼と話した事を思い出した。

喜「綾さん、早く目を覚ますといいですね」
涼「ええ………………」
喜「……どうかしましたか?」
涼「………もし……綾さんが目を覚ましたら、綾さんに言おうと思うんです」
喜「言いたい事?」
涼「ええ。それもすごく重大な事を」
先程喜久子からいただいた茶を一口飲み、コップを置いた。
涼「結婚しよう、と」
喜「………」
初めて涼の本心を聞く事ができた。
それほどまでに、綾の事を愛しているのだ。
涼「今バイトを初めまして、その給料で指輪を買おうと思っているんです」
喜「その指輪って……」
涼「ええ。婚約指輪です」

プロポーズと婚約指輪。
涼にしかできない綾の快気祝。
綾にとって素敵な祝になるだろう。
綾「………あの、喜久子さん?」
綾の声ではっとなった。
喜「え、あっ、はい」
ただ、まだ綾にはプロポーズは伝えていないのだろう。
いつも通りの態度だからだ。
喜「それで、これからどうするの?」
おそらく、行き先は1つしかなさそうだが。
綾「ええ、スーパーへ買い物に」
やはり。
涼が居候、今は夕方、そして綾だけ。
十中八九行き先はスーパーだろうと思った。
喜「ふふ、涼君のために腕を奮うわけね」
綾「……はい」
赤くなりつつ返事をした。
どうやらこちらも涼に夢中のようだ。
これは割り込む事はできない。
喜「それじゃ、私は別のスーパーへ行くから」
綾「一緒に行かないんですか?」
喜「ええ」
一緒にいると、ノロケ話を聞かされそうだ。
喜「それじゃ綾さん、お幸せにね」
綾「えっ?」
綾はどういう意味なのかわかっていないようだ。
喜「いずれ、わかると思うわ。それじゃ…」
綾「……………?」

もうすぐ冬。
綾にとっての本当の快気祝いはもうすぐ…。

後書き

さて、lwシリーズも6まできました。
あと2つです。
それが終わり次第、そろそろ進展させたいと思います。
ですが、それはゆっくりと。
気長にやっていきたいと思いますので。
ま、18禁は当分はないです(ホントに当分です)。
それでは次回にて。