like will 8

葵「喜久子さん」
喜「はい?」
葵「どうして、俺と和佳奈さんの邪魔をするんすか」
喜「どうしてって………」
葵「何故です。はっきり理由を言ってください」
喜「それは…………………楽しいから♪」
葵「はあ!?」
予想外の返答だった。
楽しいって…………………あんた…。
葵「た、楽しいからって…………………人の恋路を邪魔して楽しいんすかっ!?」
喜「……じゃあ聞くけど、どのくらい進みました?」
葵「うっ…………………」
ええ、全然ですとも。
これっぽっちも進展しておりません。
喜「ふふ、それなりに進んでいたらやめてあげますよ」
葵「それなりって………どのぐらいっすか」
喜「そうですねえ……………まあディープキスぐらいまでしてればですけど」
……………かわいい顔してすごい事言ってますな。
かわいい顔してババンバ〜ン♪
……古いな。
葵「……………よし、じゃあ、俺と和佳奈さんがそこまでいけばいいんですね」
喜「ええ。そこまでいければいいんですけど」
くっそ〜、めっちゃ馬鹿にされまくってる。
なんとかして和佳奈さんとの仲を深めないと…………。

葵「ねえ、和佳奈さん」
和「はい?」
葵「………キス…駄目?」
和「ええっ!?」
葵「いやだから、キスしたいなと」
和「…………いい…ですよ」
さすがに和佳奈さんもいくらなんでもそろそろ進展したいのだろう。
あとは喜久子さんという名の妨害がなければ何の問題もない。
葵「じゃ……いくよ」
こくんと和佳奈さんがうなづく。
よし…………落ち着いて……。
ゆっくり…ゆっくり………………。
あと…………2センチ………。
がちゃっ
………………………………………………………………まさか……………………。
がちゃっというドアを開けたような音のした方向を向く。
葵「…………き……喜久子さん………………あなたって人は――っ!!」
どこまで妨害すりゃいいんすか!!??
和「きっ、きっ、喜久子さんっっ!」
俺の声で気付いたようで、和佳奈さんが遅れて慌てた。
喜「あらあら、お楽しみのところ悪いですね」
……………………狙ってドアを開けたんでしょう。
葵「あなたというあなたは一体何考えてんすか……」
喜「あら、言いましたよ」
え?
葵「と、おっしゃいますと?」
喜「ふふ、楽しいから♪」
葵「確かに言いましたよ、でも………以前よりも凶悪になってますよ!?」
以前はたまたまみたいな感じで間接的だったが、今回のは直接妨害をしているようだ。
喜「あらあら、もうすでに妨害をしているってわかったんだから、コソコソやっても意味はないでしょ?」
……………………………………………開き直っている。
葵「ということは……………」
喜「ええ、これからもちゃんと妨害していきますので」
………………………………………………………………………………………………………。
こうなりゃヤケだ。
葵「和佳奈さん」
和「はい!?」
葵「こうなりゃ喜久子さんの見ている前でやろう」
和「ヤです」
…………………でしょうね、そりゃ。

後書き

さて今回にてlwシリーズは終了となります。
この8だけやたらと長かった気がします。
文章は短いのですけれども(苦笑)。
さて、次回からはいつも通り……………俺のいつもはいつもじゃないな(笑)。
そろそろ葵と和佳奈の進展話でもやろうかなと考えています。
それでは次回にて。