今日が最終日だ。
少し見物をして、後は帰るのみだ。
清水寺を見学した。
清水寺に着いた段階で一時解散をし、しばらくしたら集合し、帰る予定だ。
清水の舞台から京都の街を見下ろす。
………いいかもしれないな、京都。
涼や藤原さん、それに和佳奈さんが好きなのがなんとなくではあるがわかった。
和「葵君」
和佳奈さんが近付いてきた。
葵「どうかしたの?和佳奈さん」
和「いえ、ぼーっとしていたみたいですので…」
葵「うん……京都、好きになったかも…」
和「本当ですか?」
和佳奈さんがにこりと笑う。
葵「本当さ、涼や藤原さんが好きな理由がわかったよ」
突如、光が襲った。
葵「うっ」
和「きゃっ」
光のあった方を向く。
向いた方向には涼と藤原さんがいた。
手に持っているのは……カメラ。
さっきの光はカメラのフラッシュか。
……………ってことは!?
涼「ばっちり撮らせてもらいました」
葵「てんめ〜、涼〜」
涼「……焼き増し100円な」
葵「3枚頼む。サイフと学生証に入れるから」
和「ちょ、ちょっと葵君!」
涼「和佳奈さんは欲しくないの?」
和「…じゃ…じゃあ……2枚お願いします」
涼「……やれやれ」
時間は過ぎ、集合になった。
涼「これで京都ともお別れか」
葵「ちとばかし寂しくなるな」
涼「……なんだよ、最初は好きじゃなかったのに」
葵「いいじゃんかよ、途中で好きになっても」
涼「……ま、告白できた場所だからな」
新幹線に乗りこみ、後は待つのみとなった。
幸いなことに雨等でダイヤが乱れる事はなく、順調に着くだろう。
新幹線が動き出した。
ふと、葵と和佳奈さんの方を見る。
……すでに2人とも寝ていた。
和佳奈さんは葵にもたれるようにして寝ていた。
………いいなあ。
いつか綾さんが俺にもたれて寝るような事あんのかなあ………。
……ん、寝ちまったか。
時間は………えーと。
…………新幹線が動いてから1時間半ぐらいか。
…ん、肩になんか………………あ、和佳奈さんが寝てるのか。
起こさないでおこう。
……しかし修学旅行の帰りにはどうしてみんな寝ちまうんだろうな。
さて、涼の方は…と。
……………なんだ、あいつもやっぱり………。
…藤原さんも涼にもたれて寝てるじゃんか。
やれやれ、2人とも幸せそうな顔して寝てやがって。
あの様子じゃカップル成立も時間の問題ってとこだな。
……到着時間まであと1時間か。
もう一眠りするとしますか。