『嫌悪の証』のラストから15分後。
涼「さてと……そろそろ慰めも済んだと思うけど」
綾「戻ってみましょうか」
涼「うん」
葵達の部屋……というか俺の部屋でもあるんだけども、まあいいや、部屋に着いた。
涼「おーい、あお……」
言葉を止めた。
…………何か……話してる。
一体何を話しているんだろ。
ちょっと聞いてみるか。
お願い……もっと強くしてください………。
でも、それじゃ和佳奈さんが……。
いいんです…私、強くしてもらわないと………。
わかった………でも、痛いと思ったらすぐにやめるから……。
はい………んっ…。
い、痛い?
い、いえ…ちょうどいいです。
じゃあ……続けるよ。
………………………………………………ちょっと待て。
これは………………真っ最中ってやつですか?
…………………って、おおっ!?
泣かした後にやってんのか!?
……すっげえ事やってんな。
ふと、視界に黒い糸のようなものがチラチラと見える。
それも何十もだ。
…………髪の毛、かな。
上をひょいと見上げると、綾さんがいた。
………………綾さんもドアに耳をつけて中の様子を聞いていた。
………ま、そりゃ気になると言えば気になるんだろうな。
……………あ、続き続きと。
今度は…私がしてあげますね。
……いいの?
私だけ気持ちいいのは、不公平ですから……。
……………わかった。
………奉仕だとおっ!!?
そうはさせんっ!!
バンッと勢いよくドアを開ける。
涼「葵っ!てめえっっ!!!」
綾「和佳奈ちゃん、何をやってるんですか!」
俺達が見た光景は、
マッサージだった。
………強くやってほしいって言ったのはもっと強くマッサージしてくれって事で…。
和佳奈さんがしてあげるっつーのは葵にマッサージしてあげるという事で…。
その事が判明した途端、
俺と綾さんは真っ赤になった。
葵「お前ら………もしかして」
涼・綾「し、失礼しましたっ!!」
葵の次の言葉を聞く前に俺達は部屋をすばやく出た。