INJECTION OF LOVE

潤子「退院おめでとう」
涼「うん、ありがとう」
翌日、退院して早速退院パーティーをする事になる。
パーティーと言ってもそんな大したものではない。
病院での食事が健康優先のため薄味だったため、ピザを頼んだ程度である。
それに涼と潤子の2人のみ。
涼「最初はびっくりしたよ。いきなり痛みだして倒れるんだもん」
潤子「…まるで他人事みたいね」
涼「自分の中で盲腸になったっていう実感がイマイチわかないんだよね」
潤子「…わく時って…ある?」
涼「んー……アレを思い出すと盲腸という実感はわくかな」
潤子「アレって?」
涼「…内緒」
アレとは倒れた直後、潤子が泣いていたやつだ。
多分、その事を言えば『泣いてないわよ』とか言うのであろう。
潤子「えー、何よ、すごい気になるじゃない」
涼「…アレだよ。潤子さんがわざわざ林檎切ってくれたやつ」
潤子「…それは当然でしょ」
えへんと胸を張る潤子。
…このパターンも予想していた。
ふと、潤子の胸を見て、あの時の事を思い出す。
柔らかくて気持ち良かった。
あの時の潤子の表情は思い出せないが、声は覚えている。
艶のある普段では聞かないような声。
…もう一度したい、というよりもう一度あの声を聞くとか表情を見たい。
潤子「…ちょっ、ちょっとどこ見てるのよ」
赤くなって胸を隠す。
涼「おっと、見とれてたよ」
潤子「ばっ、ばかっ」
涼「綺麗だったもん。潤子さんの胸」
潤子「っ………!」
すっ、と潤子に近づく。
涼「病室で、さ。潤子さん言ってたよね」
耳元で、次の言葉をささやく。
涼「痛くしちゃやだって」
潤子「………」
もはや潤子に反撃の余地はなかった。
こうなると涼の一方的な展開になる。
涼「…いい?」
先程まで、遠回し気味に『したい』と言っているにも関わらず、確認を求める台詞。
計算か、天然か。
どっちにせよ、潤子が言うしかない。
潤子「……うん」
お互いにスイッチが入った。
大人の関係のスイッチが。
唇にキスをする。
最初の時に比べると、若干ではあるが精神的な余裕ができている気がする。
最初なだけに緊張していたが、その緊張がなくなった分、『潤子』という存在を吟味できる。
キスをしたのは今回を含めて数える程度だ。
ようやく唇の感触がわかる。
柔らかい。
これが自分にも同じようなのがついているのかと思うと不思議でしょうがない。
好きな人、だからだろうか。
唇を離し、潤子の顔を見る。
色っぽかった。
こんなに色気があっただろうか。
いつも『かわいい』と思っていた反動なのだろう。
唇を見る。
…間違いない。
雨の中でキスをした時と同じだ。
この唇に魅せられている。
再度キス。
ゆっくりと、自分の舌を潤子の口内へと進める。
つん、と舌が潤子の舌に触れる。
びくん、と潤子が動く。
突然の動きに動揺したのだろう。
だが、しばらくするとその舌が動き出す。
さながらこちらのダンスのステップを見よう見まねでするように。
ざら、という今までにない舌ざわり。
よくアダルトビデオでは最初にこんなシーンがあるのを思い出した。
なんの意味があるのだろうと思っていたが、なんとなく理解できた。
興奮をより高める愛撫だ。
舌、という本来なら味覚を感じる器官だ。
それをお互いの舌で舐めあうという異常な行為が、興奮を高める行為へと変換されていく。
…どのぐらいしただろうか。
時計をちらりと見るとほんの1、2分しか経っていない。
ずいぶん長くしていたような気がする。
潤子「ん、んん…ん…」
何か潤子が言いたそうだった。
唇を離す。
潤子「…シャワー……浴びてきて、いい…?」
その一言で自分達の状況に気づいた。
お互いの唾液で口元は当然として、その唾液はお互いの服を汚していた。
正直、シャワーを浴びる時間がもったいない気がした。
涼「うん…」
けど、我慢した。
そのうっぷんを後で晴らせばいいのだから。

チャ、というドアが開く音がする。
シャワーを浴び終えたようだ。
出てきた潤子の姿にドキリとする。
バスタオル1枚。
その薄い布切れをなくすと潤子の全てが露わになる。
襲いたい衝動に駆られる。
欲望に忠実になってしまえ。
本能に従え。
……もう、いいか。
鎖が解き放たれた。
シャワー前の再現であるキスをした。
先程とは違い、遠慮のないキス。
奪うようなキス。
潤子「ん…むう……はぁ…」
唇と唇の位置は徐々にずれ、首筋に。
潤子「んふぅ……あぅ…」
唇だけの愛撫だけにとどまらず、手を潤子の胸にあてる。
バスタオルがずり落ち、バスタオルは床に落ちる。
前回と同様に、触り心地が良かった。
ちょうどこの手に収まる大きさも要因なのだろう。
優しく触ったり、時に強めに揉んだり。
潤子「んっ…ふゃっ…あ…ぁぅ…ん…っ…やっ…あ…」
その度、潤子の唇から声が漏れる。
立ちっぱなしでの愛撫をやめて、潤子をベッドに寝かす。
何一つ着ていない、生まれたままの姿。
綺麗だった。
口には出さなかった。
お世辞と思われてしまう。
そしてお世辞じゃないという二度手間になってしまう。
そんな無駄な時間はいらない。
潤子の上に覆いかぶさる。
再びキス。
唇から、首筋、鎖骨、そしてその下の先端。
潤子「ゃぁっ…!ん…ぅっ…」
吸う度に、ぴくっ、ぴくっと反応が返ってくる。
柔らかさのあった先端が徐々に固くなってくる。
先端から唇を離し、再び移動を開始する。
お腹
潤子「ふぁっ…!」

潤子「んっ…!」
そしてその下

を通り過ぎ、太腿。
潤子「ぇ……あんっ…」
潤子も予想外らしく、声が出る。
太腿から膝へ、
すねへ、
そしてつま先。
潤子「や…ぁっ…きたないよ…」
汚くないよ。
そう言うかのように足の指を舐める。
潤子「んっ…やあっ…」
こういう行為は大抵女性が男性にさせるものである。
舐める行為によって興奮させる作用がある。
そしてそれは舐められる場合も該当していた。
潤子「んっ…ふぅ…んっ…」
羞恥心が興奮剤に変換され潤子の息が荒くなってくる。
ころん、と潤子をうつ伏せにする。
涼「ちょっと、よつんばいになって」
潤子「こ…こう?」
くい、とお尻を上げ、要求どおりの格好をしてくれる。
涼「…恥ずかしくないの?」
普通は恥ずかしくてできないと思ったのだが。
潤子「そ…そりゃあ…恥ずかしいわよ。でも顔を見られるよりはマシよ」
涼「そっ…か…」
当初の目的を忘れていた。
行為中の顔を見たかったのだ。
これでは全然見れない。
…まあ後日の楽しみにしておこう。
お尻を軽く揉む。
潤子「んっ…」
…そういえばお尻を気にしてなかった。
ほどよい大きさだ。
今まで気づかなかったが、足も綺麗だし、お尻の形もいい。
美脚、と言うのだろうか。
お尻を堪能し、そのほんの少し下。
その割れ目にキスをする。
続けざまに舌を這わせる。
潤子「そっ…んな…とこぉ……なめちゃ…やだぁ…」
指をあてると、粘着質のある液が溢れる。
…入れるには問題ないと思うが、一応念を入れるか。
ベッドの下から、ビニール袋を取り出し、あらかじめ買っておいたモノを取り出す。
モノからびゅるっ、と液を搾り出し、割れ目にあてる。
潤子「ひゃっ!」
潤子がびくんと動く。
この液は冷たかったため、驚いたようだ
涼「あ、冷たかった?」
潤子「な…なに…」
涼「ローションだよ。ちょっと不安でさ」
潤子「やぁ…そんな…の…つかっちゃ…やだ…ぁ…」
液とローションが混ざり、準備はできた。
涼「入れるよ」
潤子「う…うん……ふぁぁっ…」
前回のような通行止めはなかった。
中は熱く、きゅっと締め付けられる。
痛がっている様子もない。
動かし始める。
潤子「あんっ…あっ…ふゃあっ…」
突く度に、潤子の口から嬌声が出る。
わずかではあるが、射精感を感じる。
ただ、放つ気はない。
もう少し、この快感を味わいたい。
潤子「やっ…まっ…まっ…てぇ……やだ…っ…」
潤子の声がずいぶん高い。
絶頂が近い。
潤子のお願いを無視して、そのまま動かす。
潤子「だっ…だめぇ……やぁっ…やあっ…」
こちらも限界が来ている。
動きを激しくする。
潤子「やあっ…こわい…こわいよっ…あ…ああ…あっ…あ…ぁぁぁ…っ…」
涼「うっ…く…っ…」
潤子が絶頂を迎えたのとほぼ同時に、精を放った。
潤子は絶頂を迎えた後、くてっとベッドに顔を落とす。

潤子「んもーっ。あいつったらとんでもない事するんだもん」
梨「……潤子、ローションは基本的に潤滑油みたいなモノでさ。いわゆるオモチャ系統じゃないのよ」
潤子「え?」
梨「あたしも時々使ってるわよ。まあアンタの事を考えて使うのは優しい証拠じゃないの?」
潤子「…」
梨「良かったわねえ。テクニシャンで」
潤子「…」
行為の後、『何でそんなの使うのよっ!ばかっ!』と言ってしまったため、どうやって謝るべきか。
潤子はそれしか考えられなかった。
結局、そのまま謝りにいったものの、もののはずみで『ひどい事を言ったからその代わりに何をしてもいい』と言ってしまったため、結果3度目の行為を迎える事になったのはあえて書くまい。

後書き

今回のタイトルはビートマニアUDXから。
この曲は聴いてて『エロいなあ』と思ったのでいい材料になりました(笑)。
とりあえずしばらくは18禁はありません。
基本的にバラエティに富んだプロジェクトにしたいと思ってます。
それでは次回にて。