おんなになあれ

…………ん。
…いつの間にか寝ていたか。
……………おや?
…身体が動かない。
…金縛りだろうか。
しかし、視線は天井ではなく、壁を見ている。
いつも見ている視線より低く感じる。
…椅子に座っている。
……指とかつま先は動くから金縛りではない。
自分の身体を見回した途端、動けない理由がわかった。
縛られている!
何故、縛られている?
足や腕は完全に椅子に縛り付けられている。
目は見えるから目隠しはされていないし、呼吸もスムーズにできるから猿ぐつわにもなっていない。
…誰が縛ったのか?
今度は部屋の周りを見回す。
…誰が縛ったのか判明した。
潤子さんだ。
その理由は明らかだ。
すぐそこにいるのだから。
しかも…酒を飲んでいる。
床にはごろんと一升ビンが空になって転がっている。
…酔っている。
となると……どうなる!?
だめだ、予想がつかない。
涼「潤子さん」
潤子「…うん?」
こちらの声に気付いた。
潤子「やぁっと起きたのねぇ」
明らかに酔っていますという口調だ。
潤子がこちらに近づく。
潤子「んもぉ、ずっと待ってたんだからねぇ」
と、言いつつ、ズボンのファスナーに手をかけてきた。
涼「じゅっ、潤子さん!?」
潤子「おとなしくするの。おねえさんの言うとおりにしなさい」
いや、同い年なんですけど。
ファスナーが下ろされ、その中に潤子の手が侵入してくる。
当然、それを持たれる。
涼「じゅ、潤子さん、何を」
潤子「何をって…してあげようって」
…縛られたままで?
…………ん、そういえば…。

時間は2日前に戻る。
潤子「ねえ涼君、これ…」
潤子がすっとある本を差し出す。
涼「うん?」
本には、えっちの行為のバリエーションにということでソフトSMが書かれていた。
潤子「やってみようか?」
涼「…本当に?」
潤子「嫌ならやめればいいしさ、新鮮だと思うの」
涼「…まあ、潤子さんがいいって言うなら構わないけど…」
すぐ近くに古本を縛るビニール紐があったのである程度の長さまで引っ張り、チョキンと切る。
涼「はい、じゃあ手出して」
潤子「…え?」
涼「え、じゃなくて手」
潤子「もしかして…縛られるの私?」
涼「当然」
俺が縛られても何のメリットもない。
潤子「えーっ!?やだーっ!!」
涼「先に言ったのは潤子さんでしょ!?」
潤子「涼君男だしさ、ちょっとくらい縛られても大丈夫でしょ!?」
涼「俺を縛った後何をしでかすかわからないからそっちが先!!」

…あれか。
だから俺を縛ったのか。
ていうかこれはソフトSMではなく、ただの拘束だ。
唯一動く箇所は首から上と手とつま先。
ほぼ身動きがとれない状況だ。
そして、この状況で『してもらう』というわけだ。
『してもらう』というか『される』というか。
潤子の手がそれを優しく触る。
思い切り握られるのではと思ったがそうではない。
本当に気持ち良くさせる気だ。
すうっ、すうっと手をゆっくりとしごいていく。
その刺激にあっさりと反応して、固さが増す。
潤子「ふふっ、大きくなった」
潤子は嬉しそうな顔をしている。
男としては悲しい反応だ。
気持ちよければ簡単に反応してしまう。
しかもされるがまま。
悲しい気持ちになるが、それと同時に快感が込み上げてくる。
ほぼ固さが最大になり、それ自身がぐうっと上を向く。
潤子「いーっぱい気持ち良くなってね」
潤子は何の抵抗もなく、それの先端にキスをする。
その唇から舌が出て、ちろ、とそれを舐める。
ざらっとした舌の感覚が心地良い。
舌は先端だけでなく、その周辺、裏側へと動き、それ自身を順子の唾で湿らせる。
舌での性撃をやめ、何故か口をもごもごとさせる。
最初は何をしているのかわからなかったが、次第にわかってきた。
唾を、溜めている。
やがて、納得するまで溜めたのであろう、潤子は口を開けて、それを口に含む。
潤子の口内は熱く、溶けるような感じだった。
口内に溜めるだけ溜めた唾でそれを煮込むように、唾をそれに舌でかけていく。
じゅるうううっっ
それを吸う音があまりにも大きく、淫靡だ。
涼「じゅ、潤子さん…どこでそんなのを…」
潤子「んふふ、はいふぉ」
多分、『内緒』と言いたいのだろう。
……というかそんな情報を得た媒体はビデオか本のどちらかでしかないのだが。
潤子の持つ知識を総動員しての性撃で、早くも射精感に襲われる。
涼「じゅ、潤子さん…出る…よ…」
潤子「ぷはっ」
口を離し、手でそれをしごく。
潤子「早く出して、ね、ね」
そう言って、再び口に含む。
前述の通り、動けないため自分で調整が利かない。
涼「潤子さんっ……ごめん…出るっ…」
射精感に従い、潤子の口内に精を放った。
潤子「んっ…」
潤子は口を離さず、精を口内で受け止める。
精を出し切り、潤子もそれに気付き、口を離す。
潤子「んぇ…」
潤子は口を開けてべぇ、と舌を出す。
舌だけでなく、口内には先程の精が大量にある。
潤子「んっ…」
精を飲み干し、再び舌を出して、飲んだ事を証明する。
潤子「いっぱい出たね」
潤子はにこっと微笑んだ直後、ぽふっと涼の腿に顔をうずめた。
…寝たようだ。
やりたい事をやって寝たのか。
というかこの拘束を解いてから寝てほしい。

涼「よっ…と…」
何度も手を動かして縛りを緩くし、ようやく解けた。
片手が解ければあとは問題ない。
全部の縄を解いて、一息ついた。
ものすごい疲労感が襲った。
寝てしまいたい衝動に駆られたが、とりあえず自分のモノをしまい、潤子を抱きかかえる。
ベッドに寝かせ、先程まで拘束されていた椅子に座る。
…してもらうのは嬉しい反面、男として情けない気分になりそうだ。
とりあえず、潤子には極力酒を飲ませないようにしよう。

後書き

今回のタイトルは森川美穂から。
18禁を書くときにはえろの度合いがわからなかったりします。
書き終えてようやくえろいかどうかがはっきりします。
AVでも最初から最後まででようやくAVとして完成するわけですから。
今回書き終えた直後、かなりエロいと思いました。
毎回毎回18禁は真剣に書いてますので(笑)常に全力投球状態です。
…18禁というのはその人の本性が非常に出ますね。
さて、このLOVESONGでは18禁はあと1回になります。
これはプロジェクトを始める前から決めてました。
とにかく18禁を書く時は今までの作品と同じような展開にならないようにしています(当たり前ですが)。
ラストの18禁はもうちょい先ですが一風変わった内容になります。
それでは次回にて。