大学の授業が終わり、菜奈と一緒に家路へと向かっていた。
歩きながらこの後菜奈にする事を考えていた。
………よし、準備は整った。
あとは言うだけ。
そして菜奈の家の前に到着した。
……………よし。
理「……菜奈」
菜「ん?なあに」
鞄の中からある物を取り出す。
それはリングケース。
菜「えっ」
菜奈が驚いた顔をする。
密かに練習をした片手でリングケースを開け、中を見せる。
リングケースとあるように中に入ってあるのは指輪。
バイトでコツコツと貯めて購入した、婚約指輪。
理「菜奈、俺と結婚してくれ」
良し、決まった。
あとは菜奈がOKをしてくれれば成功だ。
しかし、菜奈の返事は予想していなかった。
菜「……あ…えっ……と………考え…させてくれる?」
理「え!?」
すっとんきょうな声が出た。
考えさせてくれる!?
それって………NOって事か!?
菜「じゃ、じゃ、じゃあね」
そう言って菜奈は家に入ってしまった。
ぽつんと、この道路には自分だけになった。
放心状態のまま家に入り、自分の部屋に入った。
どうする、俺。
菜奈の家に向かうべきか?
それとも待つか?
ふと、かつて菜奈に告白した時の事を思い出した。
あの時は午前零時まで待っていると菜奈が来た。
という事は…………。
今回も午前零時に菜奈が来るという事か。
ならば待機しよう。
午前零時です。
コーヒーをすすりながらラジオから非情な声を聞いた。
…………………………来ねえ!!
これってつまり………NOって事なのか!?
……これまで色んな事をしたのにNOはありえねえんだけど!?
…明日………聞くべきなのか…?
というか……寝れそうに無い…。
案の定、寝れたのは午前五時のほぼ早朝だった。
だが、ほんの2時間後に目覚めた。
正確には目覚めさせられた。
菜「理央、朝だよ!」
寝れなくなった原因を作った張本人である菜奈に起こされたのだ。
菜「ほら、いつまで寝てるの」
理「お前……誰のせいで寝れなかったのかわかってんのか…」
上半身を起こし、ボリボリと頭をかく。
よくもまあプロポーズを断って翌日に堂々と来れるもんだと逆に感心する。
菜「もう、そんなに寝てたら結婚してあげないよ」
理「……………………え?」
菜奈の言葉を聞いた。
幻聴ではない、菜奈の言葉だ。
理「な、菜奈………今のって……」
菜奈はにこっと微笑み、こちらに飛びついた。
菜奈を受け止め、ぎゅっと抱きしめた。
菜「ごめんね…ホントはその場で返事したかったけど……その……サプライズしようとしたらこんな風になっちゃった…」
誰だってサプライズがうまくいくとは限らない。
理「いいよ、そんなんどうでもいい。OKなら俺は嬉しいよ」
菜「ねえ………今日…学校……休もっか……」
俺は何も言わず、菜奈の唇にキスをした。