本日は理央の家で勉強。
菜「はいっ、今日の分は終わり」
理「んー、終わったか…」
ぐっと背伸びをする。
菜奈が時計を見る。
菜「まだ時間あるし、ゲームやってもいい?」
理「ああ、どれでもいいぞ」
菜「んーと……」
ゲームソフトが入っている棚を見てみると、アクションゲームやRPGといったいかにも男子らしいラインナップ。
ふと、一番端にあったゲームに目が入る。
菜「あれ?理央もこういうのやるんだ」
理「ん、どれだ?」
菜「これ」
菜奈がそのゲームを取り出す。
そのゲームは少し前に流行った恋愛シュミレーション。
要するにギャルゲー。
理「ああ、前々から気になっててな、最近ベスト版が出たから買ったんだ」
菜「………面白いの?」
理「結構面白いぞ」
女子としてこの手のゲームが面白いのかというのはまだわかっていない。
菜「……ちょっとやってみて」
理「ああ、もうちょいで一人クリアできるからいいぞ」
理「んー…」
意中のヒロインとの会話に入る。
理「これかな」
選択肢に表示されたうちの一つを選ぶ。
ヒロインが喜ぶ。
菜「よくわかるね、好みなんて」
理「それぞれのヒロインに好みの話題とか設定されてるからな。あとはそれを重点的に攻めていけば簡単だぞ」
菜「ふーん…あれ?」
会話の途中で別に場所に移動した。
理「ああ、ノルマみたいなのが達成したと思う」
移動した場所は校舎裏。
菜「ね、ねえ」
理「うん?」
菜「ス、スキップしてよ」
理「え?いやこのゲーム初見のイベントはスキップできねえぞ」
菜「だ…だってこの展開…」
菜奈の予想は的中。
ヒロインが『キスして』という発言。
菜「ほ、ほらっ…」
べしべし。
理「俺の背中を叩くな」
菜「うー…だって…」
理「落ち着けって、ゲームなんだから」
菜「ゲームって言っても…うわっ…」
キス。
ぎゅうううう。
理「お前フルパワーで肩をつかむな」
菜「うー…」
そのままエンディング。
菜「お…終わった?」
理「ああ、これでクリアだ」
菜「……………」
理「ん、どうした?」
菜「ね…ねえ……」
理「ん?」
菜「そ、その……ね」
理「……?」
菜「………………」
理「?」
菜「か、か、帰るね」
理「あ?ああ」
菜「じゃ、じゃあね」
理「ああ」
そそくさと帰る菜奈。
理「…何だったんだあいつ?」
片付けをしようとゲームのディスクを取り出し、パッケージにしまう。
ふと、パッケージの絵を見る。
………………。
まさかあいつ…ゲームに触発されてキスしたくなったのか?
理「……はは、まさかな」
確かにキスシーンを見て妙に盛り上がっていたがそんなに単純じゃないだろう。
理「さて、メシ食ったらもうちょい勉強するか」
ぽふっとベッドに突っ伏す。
菜「………キス……か……」
その、まさか………である。