学校へ登校し、いつもの日常が始まった。
ただ、気になる事がひとつ。
それがはっきりしていないと少し、というかかなり困る。
……昼休みに菜奈に聞いてみるか。
昼休み。
昼飯を食べ終え、牛乳を飲みながら菜奈に言った。
理「菜奈、ちょっと話したい事があるんで屋上に来てくれ」
菜「え?う、うん?」
……菜奈はひょっとしてあの事に気づいていないのだろうか?
いや、もしかするとすでに解決しているのかもしれない。
そうあってほしい。
そうすればめんどくさい事にならずに済むからだ。
幸いな事に屋上には誰もいなかった。
誰かに聞かれるのはまずいからな。
少し待っていると、菜奈が来た。
理「お、来たか」
菜「理央、話ってなに?」
理「ん…ああ、ちょっと聞きたい事があんだけどさ…」
果たして菜奈は気づいているのだろうか。
理「ベッドのシーツ、洗ったか?」
菜「?」
ヤバイ、あきらかに『?』な顔をしてやがる。
理「あ、洗ってないのか?」
菜「どうして?一昨日洗ったばっかりだから理央と一緒でもそんな汚れてないし」
洗ってない事がハッキリした。
……まずい事になった。
今日昼頃に菜奈の両親が帰ってくる予定だから、すでに帰宅しているはず。
もしアレを見ていたなら、大変な事になる。
理「い、いや汚れもそうだけどよ、もっとひどい汚れが付いてるはずだろ!?」
昨日の事を思い出してみると、『あの汚れ』は菜奈は一切見ていない。
肝心の行為の時は真っ暗だったし、風呂から帰ってきた時は俺がベッドを治していた。
菜「もー、汚れって一体何を言ってるの?」
………言うしかないな。
理「……あーもー、わかったよ、耳貸せ」
菜奈はよくわからないまま耳をこちらに出す。
菜奈の耳元に囁く。
理「破瓜の血」
この言葉を聞いた瞬間に火が点いたように赤くなった。
菜「どっ、どどどどうしよう!?もうお母さん達帰ってきてるはずだよ!?」
理「どうしようって……あっ!バルサンだ!バルサン部屋に焚いてるから入るなって言っとけ!」
菜奈は携帯を取り出し、自宅にかける。
あとは部屋に入ってきていない事を祈るだけ。
菜「…あっ、お母さん!?今家!?私の部屋バルサンかけてるから入らなくて……」
菜奈の言葉が止まった。
時すでに遅し。
菜奈だけの会話でこの言葉が浮かんだ。
菜奈の顔からは湯気が出そうなくらい赤くなっていた。
菜奈は携帯を切った。
………どう声をかければいいのやら。
『どうだった?』なんて白々しいし、『まあ気にすんな』なんて言えるわけがない。
菜奈は『うーっ』とか言いそうで半べそだった。
菜「しっ、知らないもん!理央がスケベなだけだもんっ!」
菜奈は屋上から逃げて行った。
………まあ逃げたとしても午後の授業でどうしても一緒になってしまうのだが。
とはいえ、菜奈の両親から呼び出しがなければいいのだが。
………というかすでに恋人という認識をしていそうな気がするな。
まあそれはそれでいいんだけれども。