理「ふわぁーあ…」
欠伸をしながら階段を下りる。
昨日から両親が旅行にでかけているから家には自分ひとり。
考えるべきは料理と洗濯とか、か。
まあ洗濯は1日おきにすればいいとして料理はどうするか。
両親から食事代はもらったがコンビニは高い。
近くの弁当屋か自炊でもすっかな。
とりあえず朝飯はまだ菓子パンがあったのでそれで凌ぐか。
ピンポーン。
クリームパンを食べていると玄関のチャイムが鳴った。
理「あれ」
誰かが来る予定ではないのだが。
宅配業者が来る予定でもないし。
ピンポーン。
再び鳴った。
理「はいはーい」
玄関に向かった。
玄関のドアを開けると、菜奈がいた。
あれ?
今日はデートの予定ではない。
それに菜奈は大きなバッグを手にしていた。
理「どうした、どっか旅行に行くのか?」
菜「…理央がね、今日から一人って聞いたから、居候しようかなって」
理「はあ!?」
『今日から居候』という聞いた事の無いワードを聞いて素っ頓狂な声が出た。
菜「…ダメ?」
理「いやダメじゃねえけど」
菜「じゃあ、今日から新婚ごっこね」
新婚。
これまた唐突に聞いたが、そのワードはものすごく魅力的だった。
理「じゃ、じゃ、じゃあ、よろしくお願いします」
菜「うん、よろしくね」
『一週間』という長いのか短いのかわからない新婚ごっこが始まった。