ザー……
雨が降っていた。
朝からずっと降っている。
梅雨とはいえ、ここまで降るとさすがに嫌な気分だ。
綾「止みませんね、雨」
涼「うん…」
深く溜息をつく。
涼「雨って好きじゃないんだよ。まあ雨は必要不可欠な代物だけど」
綾「私も好きじゃないですね」
涼「…嫌な事、思い出してね…」
綾「……私の事…ですか」
涼「あん時もずいぶんと降っていた。いっその事全て洗い流してくれれば良かったと思ってた」
綾「今は…どうです?」
涼「…」
涼「多分、あの時よりかは嫌じゃないと思う」
綾「…」
ぎゅっと綾を抱いた。
涼「俺は…君を離したくない。ずっと、一生、永遠に」
ザー……
まだ雨は降っている。
きっとこの後も降り続けるのだろう。
綾「止みませんね、雨」
涼「うん…」
綾の温もりを感じつつ、溜息をついた。