涼「…………そういえば……………あの指輪、どうしました?」
信「ああ、あれなら押入にいれてあるが…………どうする気じゃ?」
涼「綾がつけたら子供になったんですよね………俺やおじいさん、それに母さんがつけたらどうなります?」
信「ふむ…………20代の綾とわしや幸枝だと違うかもしれんな」
涼「じゃあ、まずはおじいさんから」
信「………どうすれば元に戻るんじゃった?」
涼「興奮すれば元に戻ります」
信「興奮しろと言われても………相手がおらん」
涼「簡単っすよ…………………一人作業」
信「なるほど…………では早速」
涼「ちょっと待った。いいんすか?」
信「なあに、わしは現役じゃ」
………絶倫っすね。
おじいさんが指輪をはめたが、
涼「……………………変化なし、と」
信「なんじゃ、つまらないのう………」
涼「つまらんはないでしょう。じゃあ俺が」
信「………変化なしか」
涼「ぼわんって煙が出ませんね」
信「ふーむ、男がつけても効果はないようじゃの」
涼「ということは女性のみ、か」
綾の母「あら、あの指輪を?」
涼「ええ。母さんがつけたらどうなるかなって」
綾の母「でも、子供になっちゃったらどうすれば…」
涼「…………興奮すればいいですよ」
綾の母「あら、じゃあ涼君がお相手してくれるの?」
涼「なっ、なんで俺が………あ、おじいさんがやれば」
信「わしは実の娘に手は出さんぞ」
涼「だからって、義理の息子である俺が………………やるしかないんすか」
綾の母「じゃ、そういうわけで」
涼「ちょ、綾の許可が……あ」
時すでに遅し。
すでに母さんは指輪をはめていた。
その直後、
ぼわん。
あの煙だ。
という事は、母さんは子供になるのだろうか。
煙が止んだ。
…………………………おや?
涼「あんまし変わんない……」
という事は、あの指輪は女性がつけると約15年は若返るってことか。
信「ふむ、この指輪は若返りの能力があるのか」
涼「そういうことですね。でも……………」
母さん、妙に色気が……。
まあ単純計算すると、30代……。
綾の母「20代よ、20代」
涼「か、母さん……そんなに近付かないで…」
綾の母「えっ?」
涼「な、なんかいいニオイが……」
綾の母「もう、涼君のえっち………」
う、なんか余計に………。
綾とは違う色気が………。
と、いかんいかんいかん!
涼「それはあかん!やったらあかん!」
なんで関西弁になってるんだろう。
で、母さんは大して変わっていないし、まあ元に戻る方法も知ってるしいいか、ということで解散となった。
夜。
…………………ん…………もう真夜中だっつーのに足音が…。
綾しかいないが…………………足音が違う。
もっとこう………あえて音を出さない、抜き足差し足忍び足だ。
だんだん俺の部屋に近付く。
泥棒か?
にしては、ダイレクトに俺の部屋に来ている。
まるで、この家を把握しているようだ。
…………しかし、この家を知ってる他人は存在しない。
そうこう考えているうちに、足音と俺の部屋の手前で止まった。
……………………綾しかいないか。
考えすぎだな。
………それだったら綾は何の用で俺の部屋に来たんだろう。
戸が開いた。
さらに俺のベッドへ近付いた。
そして掛布団をひょいと取り、俺の横に寝てきた。
要は添い寝である。
涼「なんだ、寂しいのか」
こくんと綾がうなづく。
まあこういうところがかわいらしいのだが。
涼「ほら、もっと寄って」
肌が密着するまで近付いた。
涼「これなら、寂しくないだろ?」
こくんとうなづいた。
涼「おやすみ」
そっと額にキスをした。
ふにゅっとした胸の感触が柔らかい。
……………………………あ?
………………………………………………………………………………違う!
もっと小さいはずだ。
…………………………………………………………………ってことは!
バッと掛布団を外し、電気をつけた。
パッと部屋中が明るくなった。
そして、俺の横にいたのは…………………………。
涼「かっ、かっ、かっ、母さんっっ!!??」
何やってんすか!!??
って俺さっき何やってた!!???
密着して、そんでもって…………………………おでこにキスだとおっっ!!??
ぐおおおっ!!近親相姦スレスレじゃねえかっ!!!
涼「だああっ!母さん何やってんですか!!???」
綾の母「何って、夜這い」
涼「…………あなたって人は………俺ぁ妻いるんすよ!?」
綾の母「………私って…そんなに魅力ない?」
うっ…………かわいいと同時に色っぽい……。
その時、別の足音が…。
まずい!綾だっ!!
しかし、母さんはというと、
ぴったりと俺にくっついて離さない。
涼「だーっ!母さん離れてっ!」
胸がっ、胸がっっ。
綾はすでに俺の部屋の前にいた。
そして戸が開いた。
綾「涼さん、どうしたんです………………………………………」
……………まずい…………………………………………殺される。
修羅場になると思いきや、綾はその場を立ち去った。
……………助かったのだろうか。
足音は外へと向かっていた。
外へ通じる戸が開いた。
そして閉まった。
2分後、電話が鳴った。
受話器を取る。
涼「はい、如月です」
信「おお、わしじゃが」
涼「どうかしましたか?」
信「いや、ついさっき綾がこちらに来て、すごい形相で薙刀を取りに来て、帰ったんじゃが」
……………………………………………………………………………………………死亡確定?