ザー…
雨は降っている。
チャプ…
雨音とは違う水音が響く。
風呂の浴槽から漏れた音だ。
涼「また雨か…」
綾「そうですね…」
涼「止むのかな…」
綾「きっと…止みますよ」
涼「……太陽が…寂しそうだな」
綾「…ねえ、涼さん」
涼「うん…?」
綾「うさぎは…さみしいと死んじゃうって…ご存知ですか?」
涼「ああ、聞いた事がある。理由までは知らないけど…」
綾「私も…うさぎなんです」
綾は、すうっとこちらに近づき、抱擁をしてきた。
綾「さみしいと、きっと悲しいまま死んじゃうと思うんです」
隣で綾がついさっきまで身に着けていたバスタオルがゆらゆらと浮かぶ。
綾の細く、柔らかな身体はこちらの身体に密着していた。
涼「今は…さみしいの?」
綾「…あなたがいるから…さみしくはありません」
涼「…………」
ザー…
雨は降っている。
綾「止みませんね、雨」
涼「うん…」