トランスを聴きながら

サー…………
雨が降っている。

ただ、雨と同様に音を立てている水分がある。
チャプ……
風呂になみなみと入っている湯。
湯の温かさが体中に染みていく。
涼「ふう…」
天井を見た。
天井から雨音が聞こえる。
涼「止まないね、雨」
綾「ええ…」
涼「……ずっと、なのかな」
綾「え?」
涼「ここしばらくずっと雨だ。もしかしたらもう二度と止まないんじゃ…」
綾「……」
綾がぎゅっと抱いてくる。
裸と裸のためか、綾そのものの温もりを感じる。
綾「…止まない雨って、あると思います?」
涼「……ないね」
綾「逆に、晴れ続ける事もないですけれども、この雨はいつか止みますよ」
涼「………そうだね」

サー……
雨は降り続けている。
涼「止まないね。雨」
綾「そうですね…」

後書き

早くも聴きながらシリーズ3作目となりました。
実は最初に思い浮かんだのと今作はまったく違うんですけれど(滅)。
ほんの数時間で忘れてしまった自分に切腹。
さて次回は…どんなジャンルでしょうか。
それでは次回にて。