梨「ねえ、そういや潤子は料理できるの?」
潤子「えっ?」
梨「…いくらなんでも涼に晩御飯作ってあげた事ぐらいあるわよね」
潤子「……」
ないんかい!
そうツッコミたい衝動に駆られた。
梨「…作ってあげたら?そしたら涼も喜ぶわよ」
潤子「…何度かは思ったけど…下手すると涼君の方がうまい時が…」
梨「…せめておいしいカレーぐらいできるようになったら?」
潤子「た、例えば?」
梨「…本格的なスパイスを入れたカレーとか…というか少しは自分で考えなさいよ」
潤子「というわけで、今日のご飯は私が作るから」
涼「え、本当?」
潤子「私だった料理ぐらいできるんだからね」
涼「おー…、期待してもいい?」
潤子「もちろんっ!惚れ直しても知らないわよ」
涼「そりゃ楽しみだなあ」
んで、料理完成。
出来上がったのはカレー。
涼「おー…これまたうまそうなカレーですな」
潤子「市販じゃなくて、スパイスを入れた本格的なやつよ」
涼「えっ、スパイスから!?」
潤子「もちろん」
えっへんと胸をはる。
涼「そらすごいなあ…いただきまーす」
ぱくっと一口。
潤子「どう?潤子お手製カレーは」
涼「…辛いな」
燃えるような辛さだ。
涼「何入れたんスか?」
思わずチャラ男みたいな質問をした。
潤子「え…なんかカレーっぽいスパイス」
涼「ぽいって…」
アバウト過ぎる。
涼「…潤子さんも食べてみたら?」
潤子「……うっ…」
さすがに辛いようだ。
なんとか完食。
涼「…すごい唇がヒリヒリするんですけど」
潤子「…知らないわよそんなの」
自分で作ったにも関わらず、逆ギレ気味に返す。
その返しに涼は『ムカッ』と来た。
涼「何でこんな辛いの作ったのさ」
これにたまらず潤子は『ムカッ』。
潤子「何よ、辛いのがダメなんてアリみたいな思考は」
涼「アリじゃないって!」
潤子「じゃあ何よ、カブト虫みたいな脳ミソしちゃってさ」
涼を昆虫扱い。
涼「こっちはヒリヒリしてるんだぞ!」
潤子「あなたはカブト虫だからよ!もう木に登って寝ちゃいなさいよっ!」
梨「…すごいわね、それ」
潤子「もうっ、涼君たらせっかく作ったのにひどいのよ」
梨「……で、涼はちゃんと食べたの?」
問題は残量。
潤子「ん……ちゃんと全部食べてくれました」
なんだかんだでノロケで締められる。
梨「結局嬉しいのよ、作ってくれると。それに比べて臣はさあ…」
潤子「……」
今度は梨花の愚痴が開始。
もちろんノロケは皆無。
梨花の愚痴は1時間かかってようやく終了した。