涼「ねえ、潤子さん…」
ぷいっ。
涼「あの、潤子さん…」
ぷいっ。
あれからずっとこの状態が続いている。
涼「うーん…」
臣「これがずっと続くと自然消滅するかもな」
眞「謝ろうにも聞く耳持たないんじゃなあ」
梨「とりあえず聞いてくれる状況を作らないと」
美「でもそれすらも出来ないんじゃ…」
潤「……方法はあるな」
芹「どんな方法なんだ?」
潤「『聞いてくれる状況』ではなく『聞かされる状況』にするんだ」
臣「…なんだそれ」
眞「拉致るのか?」
潤「いや、この大学を乗っ取るんだ」
放送室。
ここはある意味で大学の全てを司る場所。
ここを占拠してしまえば嫌でも聞かされる事になる。
潤はとりあえず潤子の様子を見るため、待機。
その他のメンバーが実行部隊となる。
臣「…そういや茜はいないけどどうする?」
眞「逆にうるさくなりそうだし、いなくてもいいんじゃねえ?」
涼が主役なので残ったメンツで放送室のいる人を拘束する。
美「…それじゃ開けますね」
芹「みんな、ためらわずに一気にやろう。時間がかかると面倒だ」
一方、潤の方は教室にいた。
潤子はその近くにいる。
そろそろ行動開始の時間だ。
これなら確実に聞かせられる。
あとは涼がごめんなさいと言えば解決だ。
スピーカーを見た。
直後、スピーカーから物音がした。
ドタン、バタンという音や、うわっという声。
潤子「ん……?」
潤子がスピーカーを見た。
そして、スピーカーから涼の声が流れた。
『倉木潤子さんっ!』
潤子「涼…くん…?」
『俺と結婚してくださいっ!』
潤「あれ?」
あまりにも予想外な一言に思わず声が出る。
ここ、ごめんなさいじゃないの?
そして、潤にとって予想外だった一言を聞いて潤子は、
すぐに教室から出て、放送室に走っていた。
2分後。
臣「おい、潤子の反応ないのかよ」
眞「そろそろ教授達来ちまうぞ」
美「あ、、来ました!涼さんはこの中です!」
外で見張りをしていた美夏が、潤子を見つけた。
潤子は放送室に入り、涼を見つけた瞬間、
飛ぶように抱きついた。
涼はその勢いを止められず、倒れこむ。
涼「潤子さん…」
潤子「…お願い、もう一度言って」
涼「何度だって言います。俺と結婚してください」
潤子「うん…」
一方、蚊帳の外状態だった茜は。
茜「…あいつら、なにしとんの」
軽く引いていた。
教授「てめえら〜…放送室をジャックするわ大学内でとんでもねえプロポーズをしやがって…反省文だ反省文っ!!」
その後、当然のように怒られる。
茜「俺関係あらへんやろ」
教授「うるさいっ!連帯責任だっ!」
美「すごい怖いですね」
梨「独身だからよ」
教授「うるさいっ!お前ら反省文50枚分だっ!」
茜「俺は無しやろ」
教授「お前100枚ね」
茜「そう、俺は100枚、って何で!?」
見事なノリツッコミ。
芹「あれ、潤はどこにいったんだ」
教授「あいつは今回の計画犯だから300枚な。すでに書かせている」
2人の恋路を援護したばかりに悲惨な目に。
教授「…そして、今回のA級戦犯の如月涼と倉木潤子っ!!」
涼「お、俺ら300枚ぐらいっすか?」
教授「ああ?お前らはもっと別なもの書く必要があるだろ」
潤子「…た、退学届けですか?」
教授「ちげーよ、ほれ」
渡されたのは1枚の紙。
それは婚姻届だった。
教授「今回はこれで勘弁してやるよ」
梨「やったじゃん!潤子おめでと!」
芹「よしっ、全員で胴上げだ!」
イェーイと全員で涼と潤子を胴上げする。
教授「あ、そうそう。わかってると思うが在学中は結婚できないからな」
全員「え?」
教授「貴様ら全員校則をちゃんと読めっ!!」