ひらひらと桜の花びらが舞う。
大学に向かう途中は並木道を通るが、そこの並木道には多くの桜が植えられている。
毎年この時期になるとここの並木道は桜色に染まる。
涼「すごいもんだな」
潤子「そうね」
涼と潤子がこの道を一緒に通るようになったのは大学2年目の学園祭が終了した後。
それ以来、ずっとこの道を歩いてる。
宙を舞っていた桜の花びらのうち1枚が、潤子の頬に止まる。
潤子「んっ」
涼「ああ、取るよ」
花びらを取り、くすっと笑う。
潤子「な、何よ」
涼「んー、また来年も一緒に見れたらなあと思ってさ」
潤子「…うん」
きゅっと潤子が手を握る。
潤子「ずっと…いたいな」
ぼそっと潤子が呟く。
涼「ん?何か言った?」
しかし涼には聞こえなかった。
潤子「ううん、何も」
涼「そっか、じゃ行こうか」
並木道を抜けると、大学が見えてきた。
脇道から臣が来る。
臣「おっす」
涼「おう」
そして、それと同時に眞一郎が来る。
眞「よう」
涼「おう」
大学の校門に来ると芹禾、潤と茜と合流。
芹禾「やあ」
涼「おはようございます」
潤「よっ」
涼「ああ」
茜「おう、朝からにぎやかやな」
涼「これがいつもなんだろ」
そして、梨花と美夏と合流。
梨「おはよう」
涼「あれ、臣と一緒じゃないの?」
臣「帰り道が全然違うからな、帰りたくても帰れねえんだよ」
梨「うるさいわね、男だったら回り道ぐらいしなさいよ」
美「おはようございます、涼さん」
涼「美夏さん、おはよう」
今月から4年目。
最後の1年が始まる。