ピンポンとチャイムが鳴った。
玄関のドアを開けると、綾がいた。
潤子「どうぞ、上がって」
綾「お邪魔しますね」
綾が来た理由は1つしかない。
放課後のトイレでのドタバタの結果となった性行為の約束。
それならば、さっさと始めよう。
そう思ったが、自分の中でブレーキがかかる。
本当にしてもいいのだろうか。
綾はいいと言ったのだからしても問題はない。
けれど、自分自身が納得していない。
…自分なんかとしていいのだろうか。
潤子「ね、ねえ、綾」
テーブルで向い合せで座っている綾に話しかける。
綾「はい」
潤子「その……さ………いいの?ほんとに」
綾「えっ……あ……はい」
綾が顔を赤くして返事をする。
潤子「あ、そういう意味じゃなくてさ……あたしで良かったの?」
綾「………」
自分の言いたい事が理解できたようだ。
潤子「全然デリカシー無かったりロマンチックな事とかできないしさ」
今まで綾にしてきた事を思い返すとろくでもない事ばかりだ。
嫌われても仕方がない。
潤子「それでも……いいの?」
おそらく、この性格は変わらないし、変われない。
この性格が綾を傷つける可能性もある。
それならば、嫌われて終わってしまえばいい。
綾「………」
綾は自分の横に座り、優しく抱擁をしてきた。
潤子「あ…綾……」
綾「確かに、潤子さんは自己中心的な所があるかもしれません」
潤子「………」
綾「でも、それが潤子さんなんだと思います」
潤子「…」
綾「私は、不器用な潤子さんが好き」
綾の言葉が自分の中に染み渡るようだった。
潤子「綾……」
キスをしたい。
欲求によるものかもしれない。
けれど、自分の欲望を満たすためではない。
感謝の意味を込めたキスをしたかった。
綾「潤子さん…」
綾は目を閉じた。
すぐに合図とわかった。
綾もまた、純粋に求めていた。
潤子「ん……」
自然にキスをした。
綾「んっ………はぁ…」
唇を少しだけずらすと、綾の吐息が漏れる。
熱を帯びた息。
行為の始まりを感じた。
潤子「ねえ……ベッド……いこ…」
綾「まっ…て……おふろ………んっ…」
入浴なんてまどろっこしい。
今は、綾を愛でたい。
キスをしながら、ゆっくりとベッドのある場所に移動していく。
ベッドまで近づくころには綾の呼吸が荒れていた。
綾「じゅんこ……さん…」
潤子「………好き」
もうこれしか言う言葉は無かった。
これ以外の言葉は何の意味も無い。
綾をベッドにゆっくりと押し倒す。
移動しながら綾の衣服を脱がしていったため、残る衣類はブラウスと下着、それと靴下。
このシチュエーションでは靴下は衣類に入らないかもしれない。
再度キスをする。
しかし今度は手を綾の背中に回し、抱擁をしながらキスをする。
一方、綾の手はこちらの背中に届いていない。
見えないが、宙をただよっているような気がする。
この手をどこに持っていけばいいのか、迷子のような状態になっている。
やがて綾の手はこちらの背中に届き、抱擁をしてきた。
自分と比べると弱々しく感じる。
けれど、とても綾らしさのある優しい抱擁。
唇を離し、次のステップに向かう。
潤子「服…脱がすね」
ブラウスのボタンを外していく。
その間綾からの抵抗は無かった。
全面的に信頼されているというのがわかった。
恥ずかしがって抵抗してくれるのもアリかと思ったが、これはこれでアリか。
そのままブラも外す。
小さめのかわいらしい胸が露わになる。
潤子「綺麗…」
綾「そっ、そんな事言わないでくださいっ………」
ポロリと出た本音に綾は手で顔を隠してしまう。
……こういうとこがなんともまあ可愛い事。
胸を優しく揉む。
綾「んぅっ…」
綾の身体がピクリと反応する。
綾「はっ……んんっ……ゃっ………んーっ……」
時折強くするとその度に起こるリアクションが可愛い。
もう少し攻めたらどうなるのか、好奇心が芽生えてくる。
胸の先端にキスをする。
綾「ゃんっ!」
身体が軽く跳ねる。
今までで一番強い刺激のようだ。
綾は自分の胸がどんな風に愛でられているのか見つめている。
綾の表情から察すると、驚きと興奮が同時にやってきていると思われる。
自分の胸がこんなに淫靡な事をされているとは思ってなかったのだろう。
潤子「下、脱がすね」
綾は胸の刺激にぼーっとしているためか、返事は無かった。
嫌です、とは言ってないのでOKという事にしよう。
スルスルと脱がし、綾はほぼ全裸となった。
ついでに自分も脱ぐ。
このまま綾だけ愛でるのもいいが、綾は不公平と思うからだ。
下着を脱いで気づいたが、自分のは濡れていた。
愛でているだけと思っていたが、欲情していた事に驚いていた。
よく漫画でいじっているうちに自分も濡れていたというシーンがあったがまさか本当だったとは。
潤子「ねえ、綾」
綾「は、はい…」
綾の股間と自分の股間を接合させる。
潤子「一緒に、気持ちよくなろっ」
挿入するかのように肉同士を強く擦る。
お互いの愛液がぬちゃっという卑猥な音が創りだされる。
潤子「ゃあっ!」
綾「ふゃあっ!」
綾と同時に声が出た。
凄く気持ちいい。
好きな人と一緒にする事がこんなにも気持ちいいとは。
潤子「綾……綾っ…!」
腰が止まらない。
綾「潤子さっ……潤子さぁんっ…!」
綾はこちらに手を伸ばしてきた。
この手でも繋がっていたいという願望を感じとり、綾の手をきゅっと握る。
自分の中で絶頂が近づいてくるのを感じた。
綾もきっと絶頂が近い気がする。
推測というよりも勘に近い。
より腰を動かし、お互いがより敏感な所をえぐるように擦れあう。
一番敏感な部分である突起同士がぶつかった瞬間、
潤子「んあっ……あああっ…!」
綾「ひゃあっ……んゃああぁっ…!」
一気に絶頂が来た。
綾もまた自分と同時に果てた。
絶頂が終わると、一気に疲労感が来る。
たいした運動はしていないのだが妙に疲れた。
ぽふっと綾の横に倒れ込む。
目の前には綾がいる。
綾の表情は今まで見た事のないような艶のある顔。
色っぽくもあるが、それ以上に可愛く見えた。
綾を優しく抱擁する。
潤子「綾……すき」
綾「私も……すきです」
まだ寝る時間ではないが、睡魔が静かにやってきた。
抵抗する理由は無い。
そのまま眠りに落ちた。
翌日。
潤子「おっはよー」
梨「……あんた、何やってんのよ」
潤子「何って、見ての通りよ」
綾の腕に自分の腕を絡ませている。
通称腕組み。
和「あ、綾ちゃん……もしかして……」
和佳奈は驚愕している。
『まさか』と思ってるのだろう。
その『まさか』が現実にある。
和「いぃなー!」
綾「わっ、和佳奈ちゃんっ、声が大きいです!」