彼女が油断をする時

涼「綾、綾〜」
一昨日購入した雑誌が見当たらず、綾なら知っているかもと思い綾を探していた。
居間にいるだろう。
居間に入ると予想通り綾がいた。
涼「いたいた、あ………」
声をかけようとしたが途中で止めた。
綾「くー………すー……」
テーブルに顔をくっつけて昼寝をしていた。
昼寝を邪魔しちゃいけないな。
ふと、綾の顔の下にあるものを見た。
探していた雑誌だ。
なんだ、ここにあったか。
探し物は見つかったし、綾が起きたら回収するとしよう。

およそ2時間が経過した。
…そろそろ起こすか。
居間に行くと、2時間前と同じように綾は昼寝をしていた。
肩をぽんぽんと叩く。
涼「綾、そろそろ起きた方がいいよ」
綾「ん……………じるっ」

じるっ?
…音だよな?
という事は寝ている時によくありがちな……。
綾「き……聞きました?」
綾は顔を真っ赤にしてこちらに質問してくる。
涼「………聞いてないって言った方がマシかな?綾がよだ
綾「言っちゃだめです言っちゃだめですっ!」
そう言われてもなあ。
綾「きっ、きっ、気のせいです!」
気のせい……ねえ。
涼「綾、その雑誌俺のだけどどうして表紙に謎の液た
綾「ちっ、違います違いますちがいますっ!」
何がどう違うのやら。
しぱぱぱぱっと拭いて証拠隠滅を図る綾。
綾「よっ、涎があった証拠なんて何もないじゃないですかっ」
涼「……………綾、首に涎がまだあるけど」
モロ見えでした。
綾「〜〜〜〜〜っ!」
もはや言い逃れはできまい。
綾「もっ、もう知りません!涼さんは晩御飯抜きです!」
涼「えっ!?何その逆ギレ!?」
夕食時は旦那よりも奥さんが主導権を握る。
それはこの娘さんだって例外ではなかった。

後書き

綾というヒロインの日常を考えると、完璧な行動はないのだろうと思ってます。
むしろ普通の女の子よりちょっと変わった部分を持っていると思います。
彼女の性格は『おとなしい』というものではなくなっているような気がするのです。
今時の女の子の部分もあるし、浮世離れした部分もある。
それに加えてちょっとぽやんとした部分もあったりするのも彼女の性格が『おとなしい』というカテゴリから外れている要因かもしれません。
綾がこの世界にお披露目された時はこのような設定は無かったと思います。
多分、綾自身が成長をしているから様々な要素が追加されたのだと思います。
……なんか妙に真面目な話になりましたが『ちょっとぬけてる部分があっても可愛いよね』という事でございます(笑)。
それでは次回にて。