KISS -15th-

ちゅっ。
涼「…………」
綾「…どうかしましたか?涼さん」
涼「………試しにさ、綾からしてみて」
綾「え?」
涼「キスを」

綾「えーっ!?」
すっとんきょうな声が出た。
よほど予想外だったのだろう。
まあいつもは俺からしているからね。
涼「たまには綾からでもいいでしょ」
綾「で、でも……」
恥ずかしい……。
そんな顔をしていた。
涼「1回しちゃえば2度目は緊張する事もないだろうし」
まあその1回が綾にとって大変なんだろうけど。
涼「じゃ、というわけでどうぞ」
綾「えっ、も、もうですか?」
次回にするとだらだらと長引きそうだし。
涼「じゃ、お願い」
綾「は、はい…」
……完全に緊張してるな。
真っ赤になっていてもしてもらうものはしてもらいます。
すっ、と綾が近づいてくる。
唇と唇の距離は20センチといったところか。
徐々にその間は狭くなってくる。
………が、途中で止まる。
綾「りょ、涼さん………その………」
涼「え?」
綾「目、つぶってください………」
…ま、じっと見てたらできなくなるわな。
涼「わかった」
目を閉じる。
…………わけにはいかない。
せっかくの綾からのキスだしね、楽しまなくちゃ。
目を開けた。
目を開けた時点で距離は5センチなかった。
直後、綾の顔が爆発したかの如く真っ赤になる。
綾「りょっ、りょっ、涼さんっ」
涼「はいはい」
初々しくもあり、かわいらしさもある綾の反応に思わず笑った。
これ以上綾をからかうとしてくれそうもないのでおとなしく目を閉じた。
その後、柔らかな感触が唇に当たった。
……これからちょくちょく綾からキスしてもらおうかな…。

後書き

今までのを見てみると、綾からのキスはないんですよね。
していたのもありますがそれは涼が寝ている時だけです。
今回が初めての綾からのキスという事になります。
以前キスしてほしいと綾が言っていた作品もありましたがあくまでもおねだりでしたから。
とうとう15作目となりました。
なるたけ続けたいものですね。
それでは次回にて。